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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

「あの部屋」のコト 

「ワンださん、あの部屋何か感じらんですか?」
そろそろ仕事を終えようかと思っていた矢先、同僚の
アオヤマくんが急に妙な事を聞いてきた。

「あの部屋」とはAさんとBさんの居室の間にある空室
の事だ。
お天気の悪い日に洗濯物を干す為、ブティックハンガーや
物干し竿を置いている。

ヘンなものは感じないが、なんとなく気にはなる。
しかしそれは部屋のドアがいつも開いていて、その前を通り
過ぎる度に視界にブティックハンガーなどが入るせいだと
思っていた。

「いや~、私は霊感とか無いから別に感じらんけど、
でもな~んか気にはなるよね。
で、アオヤマくんは何か感じる?」

「いや、そういうわけじゃないけど、あそこの前を
通ると何かね。。。。」

アオヤマくんは言葉を濁す。

翌日今度はシロタさんが「あの部屋」の事を言い始めた
ので、私はてっきりアオヤマくんとシロタさんの2人の
間でそれが話題になり、私に話しかけたのかと思って
いたがそうではなく、2人はたまたま1日違いで
「あの部屋」の事を私に言ったらしい。

「あの~、『見た』って言うか、はっきり見たわけじゃ
 ないけど、部屋の前を通った時に目の端にちらっと
見えたから、ああ、誰か洗濯物でも干してるのかなと
思って後戻りしたら、誰もいなかったんですよね~。」

視界ぎりぎりに入ったのは、黒っぽい人影。
これだけでも充分ぞっとしたわけだが、アカシさんの
話を聞いた時はさすがの私もザッと鳥肌が立ち、
思わず両腕を擦ってしまった。

アオヤマくんの話から数日後、一緒に階段を上っていた
アカシさんの話も唐突に始まった。

「私も見ちゃったんです。
あの部屋の前あたりでなんか気になって振り返ったら、
黒っぽいズボンを履いたみたいなのが、あそこらへんに
見えたんですよ。
こう、だら~んと下がった感じ?
顔は見えなかったけど、ズボンだったから男の人かなぁって
感じ?」

彼女が指差したのは階段付近だった。
腕を両脇に下げ、それは中空にだら~んと下がっていたと
言う。
アオヤマくんとシロタさんの話、そして目撃したナニモノか
の様子を真似したアカシさんの格好を見て、またもや
ざわざわと鳥肌が立つ。

「今度ワンださんの当直の時に、あの部屋のクローゼットに
隠れて巡回の時に脅かそうかな~。」
と、アオヤマくんがイジワルな事を言った。

「そんな事したら、おしっこちびるからね。
 いや、あまりの恐ろしさに、逆にぼこぼこにするかも
 しれん。」

まあ、ここに限らず人間を卒業した人達は多分そこここに
いるのだろう。
別に悪さをするわけでもなく、波長が合った時にちらっと
その一部を見せるのかもしれない。

ダイジョブダイジョブ問題ナス。
周りには沢山人もいるしね。
夜勤の時以外は。。。。
by wanda_land | 2009-09-23 22:19 | ワンだ日記