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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

カイワレ美容室

年を取るにつれて癖毛がひどくなってきた。
ドライアーで乾かすと、両サイドがぶくぶくに広がるし、
耳にかけようとすると、斜め横にぴょーんとはねてしまう。

仕方なく細身のタオルをくるりと巻き、顎の下でゴムで
くくって休む。
翌朝は両サイドが落ち着いてなかなかいい感じになるので、
私はこれを「ほっかむり大作戦」と名づけ毎日実行して
いたが、雨の日はどうしてもじわじわと広がってしまう。

今時こんなほっかむりなんぞしているのは、この世の中で
私とカカシくらいなものだろう。

「キャンペーン価格 縮毛矯正パーマ6000円」という
破格の料金につられ、某美容室に行ってみた。
店名を仮に「カイワレ美容室」としよう。
(カタカナ4文字、というところが類似点である。)

何しろホテルの中の美容室だ、それなりにハイソなムードが
漂う空間が広がっている事だろう。

ところが店内に1歩足を踏み入れると、そこには予想だに
しなかった世界が広がっていた。

なんだか汚い。
なんだかとてつもなく散らかっている。

イヤな予感がする。

カウンターにもテーブルにも化粧品だの石鹸だの雑誌
だのが乱雑に乗っている。
壁紙はすすけ、ソファーにはクッションなのか、布製の
トートバッグなのか識別不能の物体やら、誰かの
バッグやら雑誌やらが無造作に置いてあった。
灰皿にはタバコの吸殻が何本も。

イヤな悪寒がする。

ゴミ捨て場で泣いていたのを拾って来たのかと思う程、
サビだらけで年季の入りまくったイスにどっこいしょと
腰掛けるが、だーれもイスを回転してくれないので、
滑り具合の悪いイスを自分でキコキコ動かしながら、
鏡の正面に体を向けた。

イヤな股間がする。

予約の電話に出た人は、若くてきれいでおしゃれでスタイルの
良さそうな「声」だったが、その実態はふつーのすっぴんの
おばちゃんだった。

差し出された週刊誌はきっかり半年前のもの。
遅れて出勤したもう1人の店員さんも、マグカップに
コーヒーを入れたかと思うと、後ろの方でお客の私より先に
飲んでいるではないか。

2人がかりでやってくれるのはいいが、私の濡れた髪が
目の周辺にバッシバシ当たる。
2人とも大雑把なので、両側からバッシバシ当たる。

シャンプーの時は、3回程髪をもみもみしたと思ったら
すぐに洗い流し始めた。
異例の早さである。

ヘアアイロンで髪を伸ばされる時も、力ずくで引っ張る
もんだから、あまりの痛さに思わずコブシを握った。
温厚にして篤実、大和にして撫子、風光にして明媚なこの
仏のワンだも、さすがに忍耐という文字を忘れそうであった。

しかもジリジリジリジリジリジリと、フライパンでお肉でも
炒めているかの様な音がするので、かすかに不安がよぎったが、
後で確認すると、やはり髪の一部が焦げた様にちりちりに
なっていた。

私のバッグは出窓のところにポイッ  と置かれていた。
ふつー、貴重品はロッカーの中じゃろ。

安さにはワケがある、などと言う。

なるほどその通りだ。
by wanda_land | 2010-03-04 22:36 | ワンだ日記