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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

屈折

猫本さんは異動後主任に格上げされるので、まずは彼女に
その話を持ちかけてみた。

「いいんじゃないですか?ワンださんさえそれで良ければ。
それを聞いたらきっと2人とも喜ばれるんじゃないですか?」
と快く承諾してくれた。
後は上司の了解を得るだけだ。

同じ部屋にいる事さえ苦痛なのに、何故職場が変わって
までも2人の手伝いをしようと考えたのか、傍から見ると
不思議に思われるだろう。

もちろん私の仕事が鬼山・鬼林に引き継がれ、2人が更に
多忙になる事への後ろめたさもある。
しかしその一方で彼女達に協力したい、少しでも負担を
軽くしてあげたいという気持ちも大きな比重を占めていた。

世の中には無抵抗の小動物を虐待して快楽を得る様な
精神が病んだ人間がいるが、この2人もそんな輩と大差は
無いと思っている。
彼女達と縁が切れたら後も振り返らずにさっさと逃げるべき
だったのに、この時私はその逆の事をしようとしていたのだ。

それは大袈裟に言うと、彼女達と私が「支配者」と
「被支配者」の様な関係、或いは虐待する側と虐待を
受ける側に似た微妙な関係を築いてたからではないだろうか。

普段から力で捻じ伏せられていると、時たま見せてくれる
笑顔やちょっとした優しい言葉が妙に嬉しく感じるものだ。
虫けら同然の自分をその時だけは彼らの同僚として
扱ってくれている、と感じていたのかもしれない。
後になってみると、我ながら屈折した心理だったなと
苦笑してしまうのだが。

そんなわけで認定調査の件を上司と彼女達に話す
タイミングを待っていた矢先に、鬼山がこんな事を言い出した。
by wanda_land | 2005-09-12 21:15 | 黒の時代