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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

送別会パート3 ガクブル

定刻を40分以上過ぎて北山くんが会場に飛び込んで
来た。
さすがの彼もこの大遅刻には相当恐縮しているらしく、
四方八方にぺこぺこと頭を下げながら、やたらめったら
謝り続けていた。

彼にとって不運だったのは、自分の送別会に遅刻して
ブーイングをくらっただけではなかった。
何故なら北山くんの右隣には遠藤さん、真向かいには
迫田さん、そして左隣に私が陣取っていたからである。
職場のナンバー1とナンバー2と私にがっちりと挟まれ、
北山くんはますますがっくりとうなだれ、三分の一ほどに
縮こまってしまった。

ひとはそれを「魔の三角地帯」と呼んだが、席順は
アミダくじで決まったのだ。
決して罰ゲームなどではない。

「もっと気楽に楽しく飲もうよ。えっ?」

私は音程をぐっと下げてゆっくりと北山くんに言いながら
ビールを注いだりしていたが、ふと見るとマグロをつまんだ
彼のお箸が小刻みに震えているではないか。

お刺身醤油が注いである小皿の上で、いつまでも
ぶるぶると震えている事に不審を感じ、試しに人差し指で
彼の右手をくいっと押えてみた。
すると震えはぴたりと止まる。
しかし指を離すとまた震え出すのだ。

面白くなって何回も繰り返す。
これは彼が到着してから、かれこれ20分以上後の事
なのだ。
全く緊張するにも程がある。

宴もたけなわとなり、誰かが彼の薬指のリングの事を
話題にし始めた。
どうせ彼女とペアで買ったリングに違いない。
まだ自分の尻も満足に拭けないハナタレ小僧のくせに
生意気な。 けっ
by wanda_land | 2005-01-28 22:05 | ワンだ日記