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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

バチと言っては実もフタも無いけれど

香奈さんの話はまだまだ続く。

数台の車を融通し合って使っているのだが、
キーは事務所で管理しているので、他の部署が
乗りたい時はどんなに嫌でも鬼山・鬼林の了解を
得なければならない。

ところがこの2人、車が空いているかどうかを
尋ねられてもわざと知らんぷりを決め込むらしい。

「今から使ってもいいですか?」
「。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

質問にはきっちり答えろこんにゃろめ。
どこまで意地が悪いんだこのあほちんが。

香奈さんと綾乃さんに決定権は無いので、
重苦しい沈黙の時間を黙って耐えるしか術が
無いのだ。

せっかく車の利用表を作っても、それを無視して
さっさと外出する事があり、ある時他の部署の
スタッフが怒りを爆発させた。
彼等の訪問サービスを受ける利用者さんを、車が
無いからと待たせるわけにはいかないからだ。

居残っているのは香奈さんと綾乃さん2人のみで、
勝手な真似をした鬼山達を悪く言う事もできない。
怒りの矛先は彼女達に向けられた。

「もうめちゃくちゃ怒られたんですよーー。
いつまでもぐちゃぐちゃ言われてーー。
絶対に泣くもんか!と思ってぐっと我慢してたら
代わりに鼻水が出てきたんですよ。
怒鳴られてる間、ずーっと鼻をすすってました。」

外出する前にひと言連絡すればいいだけの話なのに、
その程度の手間も惜しいのか。
残された香奈さん達が八つ当たりをされて嫌な
思いをする事ぐらい、想像もできないのか。

鬼山の傲慢振りはエスカレートする一方だ。
家庭がうまくいっていないのかと思い、香奈さんに
聞いてみた。
当たりだった。

「それがですね、旦那さんが病気で。。。」

聞けば仕事に行けないどころか、日常生活にも
かなりの支障をきたす状態だ。

それを聞いた瞬間ちらっと脳裏をかすめたものを、
香奈さんが代弁してくれた。

「それを聞いた綾乃さんが『もしかしたらバチが
当たったんじゃないですか?』って後でこっそり
言ったんです。
それを言っちゃだめだろーーって思うんですけど、
でももしかしたら。。。。って私も。。。」

以前も鬼山のご主人は病気を患っている。
共に試練を超えたはずだったが、そのご主人から
死にたいと思った事がある、と打ち明けられて
「へ~、そしたら死ねばよかったのに。
なんで死なんやったと?」と言い返した、と
吐き捨てる様に私達に話した事がある。

あまりの冷酷な物言いに、心底ぞっとしたのを
覚えている。
by wanda_land | 2007-06-14 22:07 | ワンだ日記

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