人気ブログランキング |
ブログトップ

ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

秘密のツーショット

伏せをして顎を床に着けていると静かなのに、
頭を上げると呼吸は突然荒くなる。
顎を着ける方が心臓も気道も圧迫されて苦しい
はずなのに、アーニーは逆だった。

顎をクッションの上に乗せてやったらどうかと
思い、低反発クッションに顎を乗せる様に
促しても、アーニーは一向に興味を示さない。

クッションを枕にして寝転がりながら、
「ほらほら、こんなにすると気持ちいいよ~。
これでねんねすると楽ちんになるよ。
いいないいな~。」と彼にお手本を見せてみたが、
彼はそんな私をじっと見つめるだけだった。

雨が降ってまたアーニーのお腹や肢がどろどろに
なったので、玄関に寝せる事にした。
足洗い場のホースでドロ汚れを落とそうにも、
肢が上がらないのだ。

立っているだけで精一杯だったのか、私が渾身の力を
込めてちょっと持ち上げただけでも、ふらふらして
立っていられない状態だった。

玄関に寝せる時は私が上がり口に腰掛けたり、
しゃがみ込んでアーニーを撫でていたが、腰痛持ちの
私には辛い体勢なので当然彼と接する時間も短くなる。
私がうめきながら立ち上がると、なでなでタイムは
終わりだ。

私は写真を撮られるのが嫌いなので、デジカメにも
しばらく関心が無く、アーニーが小さい時の写真は
ピンボケの物がたった1枚しか残っていない。
私との写真もまともに顔が写っているのは全く無い。

その代わり玄関に寝かせる時は壁に掛かっている
大きな鏡に向かい、「ほら見て、一緒にいるよ。
このシーン、しっかり覚えててね。」とアーニーの
肩を抱いて頬を寄せた。

せめて笑顔の私といる映像を彼の記憶にしっかりと
留めておきたかったからだ。
それは私と彼だけしか知らないツーショットだった。

出勤の時は私の姿が見えなくなるまで見送って
くれたものだが、頭を持ち上げるのもきつくなった
のか、次第にそれも無くなった。

小雨が降る中アーニーとナナを連れて玄関のすぐ
近くでおしっこをさせたが、まともに歩けたのは
それが最後だった。
by wanda_land | 2007-07-24 22:33 | アーニーのお話