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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

お留守番後の豹変

虹の橋を渡った(1度渡ってから、また私の元に
舞い戻っているかもしれないが)愛犬の思い出を
書き綴っている内に、もう3ヵ月以上経って
しまったが、ささやかな想い出をもう少し。。。

ある時1泊2日で遊びに行く事になった。
アーニーは呼んでも来なかったので、私達は
そのまま出かけてしまった。

家を空けるのはひと晩だし、「お留守番」は彼の
最も嫌いな言葉だったので、わざわざ呼びつけて
おいてしょんぼりさせるのも何だかなぁと思って
しまったのだ。

飲み水は充分あるので、ご飯が少し遅れても大丈夫。
いつもは家に入れるけど、一晩ぐらい犬小屋で
寝かせてもいいだろう、と軽く考えていたのだが、
これが大きな間違いだった。

午後1時ぐらいに帰宅し、母が先にアーニーの
様子を見に行った。

「アーニーの様子がおかしいよ!
名前を呼んでもうんともすんとも言わないし、黙って
じーーっとうずくまってて顔も上げないとよ!」

耳の下辺りの毛が分泌物でどす黒く変色し固まって
おり、寒くもないのに体を丸めたまま動こうと
しない。

アーニーは蒸し暑くなると必ず皮膚に炎症が
起きていたが、前日ちょっと怪しい状態だった
部分が、たったひと晩で急激に悪化していたので
驚いた。

自分を置いたまま家族全員が突然いなくなった事が
余程ショックだったのだろう、普段は底抜けに
陽気でのんびり屋のアーニーが、果てしなく暗い目
をして、何かに怯えている様な顔つきに変っていた。

今思えば、飼い主さんが迎えに来る事も無く、
保健所の檻の中で死を待つだけの犬とそっくりの
表情をしていたのだ。

翌朝リードをつけていつもの様にフェンスの方へ
連れて行こうとすると、妙に足取りが重くなり、
途中でぱたりと止まってしまった。
てこでも動こうとしない。

彼にしてみれば、フェンスの向こうに放されたら
またあの時の様に置き去りにされるかも、という
不安と恐怖があったのだろう。

いつもの甘えん坊将軍ぶりはすっかり影を潜め、
態度もどこかよそよそしくなった。
信頼回復には予想以上に時間がかかり、そんな事が
かれこれ1週間以上続いた。

犬も人間の言葉が分ると知った今なら、外出する事を
きちんと説明していたに違いない。
これは少々賢い犬でも、複雑な話は理解できない
だろうと思い込んでいた頃の苦い想い出である。
by wanda_land | 2007-09-30 23:08 | アーニーのお話

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