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ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

2006年 06月 19日 ( 1 )

ノラにゃんのたまちゃんが突然現れて2日目。
同僚の犬浜さんがこう提案した。
「神社の境内にでも置いて来たら、誰かが拾って
くれるかもしれないよ。
ここで死なれても困るしね。」

「たまちゃん」という名前は犬福さんの命名だ。
人気の無い神社の境内に置いて行くのは最善とは
言えないけれど、他にいい方法は思いつかない。
職場で飼うのは絶対に無理なのだ。

「じゃさ、お腹空いてるみたいだから、連れて行く前に
牛乳かなんかちょっとあげよっか。」

食べ物をやりたくてもぐっと我慢している私達に有無も
言わせず、犬浜さんは卵豆腐が入っていたケースに
牛乳を注いだ。
それを一心不乱に飲んでいるたまちゃんの背中の骨は
浮き出し、仔猫特有のぷくぷくした丸さは無い。

建物に入って来ようとするたまちゃんを、床を踏み鳴らして
追い払っていた犬福さんが、カルシウムせんべいを
持って来た。

「これを牛乳に浸してやったら?」

お腹いっぱいになったところで箱に入れ、半ドンで帰る
同僚に神社へ連れて行ってもらう予定だったが、
お菓子の袋を開けた音に驚き、たまちゃんは素早く
逃げてしまった。

どうせ飼う気が無いなら深入りしちゃだめ。
分かっていてもやっぱり気になって仕方が無い。
帰りがけに見に行くと、たまたま置いてあったシートの上に
ひっそりと寝ていた。

最初は牙をむき出して威嚇していたが、しゃがみ込んで
ゆっくり話しかけると、目をしぱしぱさせながら穏やかな
顔になった。

拾ってもらえる確率は0に近いだろう。
たまちゃんの将来は明るくない。
たまちゃんが短い命を終える前に人間の優しさを
感じた方がいいのか、それとも下手に希望を持たせない
方がいいのか、私はいつまでもうじうじと考えている。
by wanda_land | 2006-06-19 22:33 | ワンだ日記