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ワンだ~ランド

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なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

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私の2大コンプレックス、それは車に乗れない事と料理が
苦手な事だった。

料理の話題で盛り上がってくると、こちらに注目が
集まらないよう、呼吸数と心拍数を極力低下させ存在感を
希薄にしていたのだが、車の話ともなると更に身を
小さくして書類の山に隠れ、お尻だけ出して仮死状態を
装っていたものだ。

幸い料理の方は克服できたと思う。
料理は楽しくて仕方がない。
しかし、である。
車はどうしてもだめだった。

どうやら私が不在の間、鬼山・鬼林コンビから何回も陰口を
聞かされたのだろう、見るに見かねた同僚の犬森さんが、
「こんなにそそっかしい私だって運転できるんだから、
ワンださんだって絶対大丈夫よ。
練習してみたら? 自動車学校でも初心者コース
みたいなのがあるらしいし。」と事あるごとに言ってくれたが、
あの頃の私にはそんな余裕は皆無だった。

運転するのが恐いからというのが通用するほど世の中は
甘くない。
鬼山から痛いところを突かれ、「すいません。。。」と頭を
下げる事しかできなかった。
ただあの時無理矢理車に乗っていたら、私は間違いなく
人を轢いていた。

技術の未熟さと想像を超えるそそっかしさ。
その上何枚もの「膜」をまとって視野が狭くなり、
注意力低下かつ動作緩慢だった私が、まともに公道を
走る自信などどこを捜してもなかった。

無能、役立たず、給料泥棒。。。そんな言葉が頭の中を
ぐるぐると駆け巡る。

そうこうしているうちに、また事件勃発である。
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by wanda_land | 2005-07-31 22:14 | ワンだ日記
鬼山は体調不良の訴えがやたらと多い人だった。
毎日出勤するや否や腰が痛いだの首が痛いだの肩が
痛いだの股関節が痛いだの目の奥が痛いだの頭痛が
するだのと、とにかく何も言わない日はないくらい
頻繁に愚痴をこぼしていた。

私達はその度に「大丈夫ですか?先生に診てもらった方が
いいんじゃないですか?
お薬飲まなくていいですか?」と声を掛け、彼女の話に
気長に付き合っていたものだが、ある日腰が重くて車の
運転がとても苦になると言い始めた。

私はいつもの様に仕事の手を止めて鬼山の話を聞いて
いたのだが、私が車に乗れない事への不満がその時
最高潮に達したのだろう、「どんなに腰が痛くても私は
自分で運転しないといけないんですよっ。
車の乗り降りとかもきついけど、ずっと座りっぱなしと
いうのもこたえるんですよねっ。
でもワンださんはいいなーーーー!!
お抱え運転手付きでっ!!」と言いながら机をばーんと
叩いた。

私は言葉も無かった。
上司が決めた事とは言え明らかに私は楽をさせてもらって
いたのだから。

運転手さんに依頼できる時間帯は非常に限られている。
毎回翌日の訪問先をリストアップして、移動時間と
訪問時間を分刻みで計算し、いかに効率良く回るかを
必死に考えた。

そしてスケジュール表を2枚作り、運転手さんが午前の部の
仕事を終えて帰宅するタイミングを狙って渡していた。

急に外出する用事ができた時や、往復1時間もかかる
医療機関や施設での認定調査が入った時などはまさに
冷や汗ものだった。
なるべく運転手さんを待たせないよう、車⇔建物は
小走りが原則だった。。。
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by wanda_land | 2005-07-30 21:06 | ワンだ日記
物の怪でも獲り憑いたかの様に毒を吐く鬼林とはやや趣を
異にするが、鬼山の方もなかなかのツワモノだ。
他人に手厳しく、実に細々とした部分までダメ出しをして
くれた。

自分の頭にきちんと入れて整理したい時や慌てている時に、
ついつい独り言を言ってしまう悪い癖があるのだが、もちろん
鬼山はこれに文句をつけてきた。

 「猫川さん(同僚)も独り言が多いけど、声が大きいから
 かえってそんなに気にならないけど、ワンださんは
 こそこそ言ってるからそっちの方がよっぽど気になって
 仕方がないんですよっ。」

「電卓を叩くのが早くてその音がすっごく耳につくから、
私まで焦ってくる。もっとゆっくりして欲しい。」とか、
他施設を訪問した際に私のスリッパの音がうるさい(特別
大きな音を立てていたわけではない。)とクレームをつけたり、
とにかく私のする事成す事何もかも気に入らない様子だった。

ところでとても恥ずかしい話だが私は運転ができない。
社会人として失格なのは充分分かっているつもりだが、
両親の欠点を一身に背負っている私が無事に公道を
走れるわけがないのだ。
しかし運転ができなければ仕事にならない。

そこで上司が一計を案じ、他の部署で運転手をしている
パートさんに私の代わりに運転を頼む事になった。
運転ができないと承知した上でこの仕事を命じた手前、
上司も色々と考えてくれたのだろうが、私は有難いと思う
反面身が縮む思いだった。

ハンパ者の自分を恥じながらもこのパートさんに送迎を
お願いしていたのだが、予想通り鬼山が切れた。
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by wanda_land | 2005-07-28 21:51 | ワンだ日記
家庭内のトラブルに悩まされている間も、もちろん
鬼山・鬼林は決してその手綱を緩めなかった。

鬼林は入退院やショートステイの調整を一手に引き受けて
いたので、私が担当していた人達から入院やショートステイの
希望があると、彼女に依頼しなければならない。
これがまた苦痛だった。

 「猫谷さんがショートステイを希望されてるけど、ベッドは
  空いてないよね?」
 「ええっ? ワンださん、あれを見りゃ分かるでしょ?ふんっ。
  ベッドなんて全然空いてないですけど?」

事務所の壁にはショートステイの予定表が貼ってあり、
たしかに予定はぎっしり詰まっている。
それでも何とかならないかと思って敢えて聞いたのだが、
鬼林は「あんたバカじゃないの?」と言わんばかりに
せせら笑う様に答えた。

ある時ショートステイをさせてもいいが、他の病院や施設に
行くのは嫌だと言われ、嫌々ながら彼女にお伺いを立てた
事があった。

 「ベッドは満床だよね。
 うちでショートステイは無理。。。だよね?」
 「ワンださん、ベッドが一杯だからってそれでもう
 諦めるんですかっ?
 その人ショートステイが絶対必要なんでしょ?
 必要だったら私だって婦長さんと相談して、ベッドの調整
 とか考えますよっ。」

ベッドが空いていないから無理と突っぱねてみたり、
無くても必要だったら何とかすると言ってみたり、
全く一貫性が無い。

私を通して入院希望があった時か、やっとベッドの確保が
できた時だったかに、「入院できたら、本人さんもだけど
家族の人も安心するし。。。」とうっかり口を滑らすと、
「安心されたら困りますっ。」と鬼林が即座に一喝した。

何故安心してはいけないのか意味不明だったが、その時の
私は「あ、そうね。。。」とお追従笑いを浮かべて同意するしか
なかった。
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by wanda_land | 2005-07-26 21:42 | ワンだ日記
交差点の右側から来た相手の車の左後部と、父の車の
左前部が破損しているので、三叉路を右折しようとしていた
父が見切り発車をしていたのは明らかだった。

しかしどんなに父のミスだと言っても、まるでケネディー
大統領を狙撃した「奇跡の銃弾」の様な奇妙且つ有り得ない
動きを、2台の車に見立てたタバコの箱にさせながら
でたらめな説明を始め、頑として無実を主張した。

また事故を起こす前に免許を取り上げなければ。
いっその事免許更新の手続き自体を止めさせようかと
思っていたが、結局更新時の視力検査で不合格となり、
泣く泣く免許証返上となった。
やっと1つだけは問題解決となった。

ある日知人から電話があった。
父の行動を心配して掛けてくれたのだが、この時またもや
私を驚かせる話が降って湧いた様に出てきた。
「隠し子説」だ。

 「ワンだちゃんの8歳下で、〇〇町か△△市に住んでいる
 らしいよ。それに顔がワンだちゃんそっくりだって。」

異母姉妹がいるなど初耳だった。
ただの噂にしては年齢や住所、そして容貌など具体的
過ぎる気もしないではない。

兄しかいないので妹だの弟だのが1人増えてもいいかな、
いるとしたらどんな感じの人なんだろう、会ってみたいなぁと
いう好奇心もあったが、認知だの財産相続だのと言った
トラブルに巻き込まれる余裕など全く無い。
さすがにこの事は母には内緒だった。

しかしこの「隠し子説」を耳にしたのは後にも先にも
これっきりとなった。
火の無いところに煙は立たないと言うが、世の中には
わざと火をつけて火事になるのを喜ぶ人達がいるものだ。

さすがに最初は唐突な話にびっくりしたが、その前後に
起きた事に比べればこの程度のデマなど、半身浴を
しながら鼻でもほじほじしている様なものだった。
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by wanda_land | 2005-07-25 21:13 | ワンだ日記
昼食の最中に電話が掛かってきた。

「お宅の車でナンバーが〇〇〇〇の車はありませんか?
 あーそうそう、やっぱりね~。
 実はある人から通報があって、車をぶつけられて相手に
 逃げられてしまったけど、運転していた男性には見覚えが
あると被害者の方が言われて、お宅じゃないかという事で
 お電話したんですよ。」

当て逃げだった。
ろくに確認もしないまま右折しようとした父が、右方向から
接近していた車の後部にぶつけてしまい、あろう事か
そのまま逃げ帰って来たらしいのだ。
日頃の運転振りを見ていていつか事故を起こすのでは
ないかと心配で堪らなかったが、とうとう現実となってしまった。

しかし当の本人には当て逃げをしたという自覚は全く無い。
「しばらく待っていたが相手の車が戻って来なかった。」とか、
「左右をじっくり確認したのに相手の車が急に来た。」などと
言い訳にもならない事をぶつくさ言うだけで平然としていた。

どうせ父が行っても相手を怒らせるだけだと分かっていた
ので、父の元で働いている人と2人で被害者宅に出向き、
誠心誠意謝罪した。
私の隣に立っていた彼などは、床に頭を擦りつけんばかりに
深々と頭を下げていた。

万が一この時事故を起こさなかったとしても、近いうちに
取り返しのつかない重大な事故を起こしていたに違いない。
被害者の方が軽度のむち打ち症で済んだのが、せめてもの
救いだった。

私がタバコの箱を使って何度も事故の状況を再現し、
100%父が悪かったと説明しても、最後まで決して
認めようとはしないどころか、きちんと停止していた父の車に
相手が突っ込んで来たと言い張り、私を心底呆れさせてくれた。
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by wanda_land | 2005-07-24 21:38 | ワンだ日記
単独では太刀打ちできないと思ったのだろう、父は
誰彼構わず家族の悪口を吹聴し、自分の味方を
増やそうと精力的に動き回っていた。

お陰でワンだ家の内部で何が起こったのか説明するよう
仕事中に親戚から呼びつけられたり、お節介で話し好きな
親戚が訪ねて来ては何時間も喋り続けたり、父方の
兄妹達が血相変えて飛んで来たり、時には見知らぬ
おばさんからお説教をされそうになったりと、気持ちが
休まる暇もなかった。

挙句の果ては不動産会社から、お宅のお父さんがアパートを
借りたいと居座っているからどうにかならないかと電話が入り、
兄と2人して力ずくで引っ張って来た事も数回あった。

世間の人達はゴシップが大好きだ。
きっと「可哀想なお父さんをひどい目に合わせている鬼嫁と
鬼娘」と陰では散々言われているのだろう。

認定調査の為に各家を訪問していたが、これでは仕事が
やりにくくて仕方が無いではないか。
きっと「この人にこにこして調子良い事言ってるけど、
その裏ではお父さんにひどい事をしてるのね~。」と
思われていたのだろう。

分かっている人は分かってくれる、無関係の人達から
どう思われようと構わない、毅然とした態度を取ろう、
私と母はそう決心していたが、さすがに市役所の
顔見知りの職員さんから父の噂を聞いた時は、いったい
どこまで話が広まっているのか不安になってきた。

ある時警察から電話が掛かってきた。
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by wanda_land | 2005-07-23 23:12 | ワンだ日記
職場では鬼山・鬼林コンビの口撃に耐え、複雑な仕事に
頭を悩ませ、家に帰ると今度は父の言動に振り回される
日が続いた。

父は何故か玄関ではなくガラス戸を開けて家に上がって
来ていたのだが、父が振ってくる話題はロクでもないもの
ばかりだったので、私はあからさまに不機嫌な顔を
していた。

「家に戻る。」と言うか、人の悪口を言うか、話題は2つの
うち1つ。或いはどちらとも。
そんな不愉快な会話で、唯一の寛げる時間と空間は
台無しだった。

究極のエゴイストで、昔から家族など徹頭徹尾無視して
いた彼は、私の精神状態が普通ではない事など、もちろん
これっぽっちも気づいていない。

先に父の姿を見つけると、ガラス戸と玄関のカギを大急ぎで
閉めに行き、父が諦めて帰るまで電気もつけずに自室に
閉じこもっていた事もある。
網戸を開けるガラガラという音が聞こえると、私はいつも
ぞっとして身をすくめていたものだ。

時々自分の援護者としてお節介な親戚を伴って来るのだが、
これがまたとんでもなく厄介な存在だった。
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by wanda_land | 2005-07-22 22:10 | ワンだ日記
7月15日の日記に書いていた事件が起きた時はさすがに
ショックが大きかったと見えて、しばらくワンだ日記を
書くことができなかった。
そして久々に地底から這い上がった頃に書いたのが、以下の
日記だ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  749 名前: ワンだ 投稿日: 2003/05/13(火) 00:17
長らく留守をしておりましたがやっと帰って参りました。
心の旅或いは魂の彷徨とでも言うのでしょうか、
真実とは何か、愛とは何か、この世に私が生を受けた意味とは
何か、そしてあんなにつるつるぴかぴかだった私のお肌は
いつからくすみ始めたのか、はたまた冷蔵庫の奥に隠していた
プリンはいったい誰が勝手に食っちまいやがったのか。。。。。。

心の奥深くに巣くう様々な疑問に対する答えを求めて西から東へ
北から南へ北東から南西へ南東から北西へ地から天へ天から地へ
あっちからこっちへこっちからあっちへと、延々さまよって
おったのです。

果たしてその答えを私は得る事ができたのでしょうか?
YESでありNOでありましょう。

この手に掴んだと思っているとそれはたちまちの内に別の
何かに変質し、指の間からさらさらとこぼれ落ちて行くのでした。
これこそが真の答えだと確信し、しっかりと胸に抱いていた
はずなのに、やはりそれも私が渇望していたものとは似て
非なるものであり、失望感がぎしぎしと音を立てて既に有るか
無きかの気力を羽交い絞めし、踏みしめていた大地が割れ
亀裂の中に吸い込まれて行くかのような錯覚を覚えるのです。

何が正しいのか何が間違っているのか、更には自分という
存在さえ不確かなものになりつつあるという事実に愕然と
しながらそれでもま。。。。

ほ? 

毎晩のようにわいわいチャットで遊んどったやんけ~って?
入力しても文字がちっとも出ないんだけどどうしたらいいの?
ってあちこちうるさく聞きまわってたくせにって?

   こらっ。 ちょめっ。 んな事言わないのっ。

ひとがせっかくイロイロと言い訳をでっちあげ。。。。
じゃなくて~、ずーっとずーっと日記を書かなかった
日本海溝よりも深い理由を、極上のブランデー片手にしみじみと
語ってるっちゅうのに。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

            言いわけたらたら
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by wanda_land | 2005-07-21 21:10 | ワンだ日記
鬼林は些細な事に対してもすぐに爆発する。

 「それは何の研修なんですかっ!
 私は全然そんな話聞いてませんよっ!
 そんなの2~3日前に言われたって、私には子供が
 いるんだからすぐに都合がつくわけないじゃないですかっ!
 もうっ、何で私には教えてくれなかったんですか!!!」

机の上には資料だの書類だのが山積みになっていて、
通知書はその中のどこかに紛れ込んでしまったらしいが、
早口でガミガミ言われると余計に焦ってしまい、書類の
山を掻き回したものの結局見つからなかった。

 「え~っと。。。
  たしかこの辺に置いといたと思うんだけど。
  ごめんなさいね。おかしいなぁ、え~っと。。。」

鬼林は小さなヘビの様な目で私をぎろりと睨み付けた。
もちろんその頃はもう彼女の目をまともに見る事が
できなかったが、彼女の目を直接見なくてもあの視線が
突き刺さって来るのを痛いほど感じた。

彼女は全く顔を動かさずに相手を凝視し、早口で暴言を
吐くのが常だが、私はこの顔が世界で1番恐ろしいと
思っている。
『悪鬼の様な形相』と言えば鬼が気を悪くするに違いない。

イスを乱暴に引いて立ち上がりながら、
 「あのですね、ワンださん!!
 今度からこういう通知が来たら私にも必ず見せて
 もらえますかね!!
 私だってケアマネジャーなんですからね!!!」と
言わずもがなの捨て台詞を吐くと、そのままどかどかと
廊下に出て行った。

つまらない事で逆鱗に触れてしまった。 
後悔先に立たずである。
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by wanda_land | 2005-07-20 22:07 | ワンだ日記