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ワンだ~ランド

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なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

<   2006年 03月 ( 23 )   > この月の画像一覧

フェラガモでミケさんがブーツを買った後に目指すのは「壇島珈琲餅店」
という軽食屋さんだ。
ここの蛋達(エッグタルト)の評判が良く、香港のパッテン総督も足しげく
通ったお店らしい。
エッグタルト好きとしては要チェックである。

香港で最初にはまってしまったのはマンゴープリンだが、エッグタルトが
また最高に美味い。
さくさくのパイ生地に濃くのある卵を使ったカスタードが乗り、このカスタード
がまるでプリンの様にぷよんぷよんしているのだ。
時々むしょうに食べたくなってしまう。

アレンジが上手い日本人の事だ、きっと本場の味を体得して立派な
エッグタルトを再現できただろうに、ほんの一時期お目見えしただけで
すぐに姿を消してしまったのは残念この上ない。

「壇島珈琲餅店」のメニューは約300種類とおっそろしく多くて目移りしそう
だったが、初志貫徹でエッグタルトと飲み物を頼んだ。
ミケさんが注文している最中にウェイターさんの顔にケッタイな物を発見して
しまった。
正確に言うとウェイターさんの顔から出ている物である。

彼の顎の横辺り(?)に縮れた毛が2~3本生えていて、それが結構長い
のだ。
福を招いてくれるのかただの剃り忘れか、ごわごわした毛が数本だけ
顎から垂れ下がっている悪人顔のおっちゃんの顔は忘れがたい。
絶対に指を絡ませながら見つめ合いたくないタイプであった。

プリンの様にとろりとしたエッグタルトは美味しかったが、なんとなく
物足りない気がする。
こうなったらエッグタルトのはしごだ。
セントラルの急な坂道を上ったり下ったりしながら、行列のできるお店
「泰昌餅家」を捜す事になった。
by wanda_land | 2006-03-31 23:06 | ワンだ日記
ランドマークのリニューアルしたラルフ・ローレン。
お目当てのバスタオルが買えないならば、こんな所には用は無い。
とっとと出ようとしたが、ミケさん・ミミさん・モモさんの3人はすっかり
買いモードに入っていたので、私はいつ店員さんに注意されるかヒヤヒヤ
しながら、お店の真ん中のソファーに座り込んだ。

セールとは言えどもここのセーターを数枚買ったら、私の安サラリーなんぞ
いっぺんに吹っ飛んでしまう。
ミミさんがふわふわしたセーターを買ったが、これも私なんかが触って
すいませんと謝りたい様な値段が付いている。
ま、心動かされそうな服もないけどさっ。

そうこうしているうちに昼食の時間が近づいて来た。
「黄枝記粥麺店 」マカオに本店がある粥麺店だ。
こじんまりとした店内は既に大勢のお客さんがご飯をぱくついている。
2階に通されると、そこも狭いスペースにテーブルが所狭しと並んでいた。

香港では人気上昇中らしくちょっと期待していたが、メニューの選択が
間違っていたのかどれを食べてもピンとこない。
チマキはちゃんともち米を使っているのかなと疑いたくなる程べったりとして
いて、ワンタン麺も汁無し麺も牛筋麺もインパクトが無い。
珍しいのでパンも食べてみたが、ぱさぱさしていて口の中の水分を全部
持って行かれそうだった。

わざわざ足を運ぶほどでもなさそうだ。
次回の「香港・美味しいご飯屋さんリスト」からは削除され、2度と甦る事は
ないだろう。

ミケさんのご希望でマンダリンホテルのフェラガモへ。
血行不良で足の指が痛くなり、パンプスが履けなくなった私はここでも
ソファーにどっこいしょと座って見ているだけである。

今回のミケさんのターゲットはショートブーツだ。
じっくり選んではいるものの彼女の決断は早い。
甲の部分にガンチーニの付いたシンプルなブーツをお買い上げ。
「私の足にはフェラガモの靴しか合わないの。ほっほっほ。」

言ってなさい言ってなさい。いくらでも言ってなさい。
私の足にはおばちゃん御用達のウォーキングシューズか、底がふわふわ
したサンダルしか合いませんから。
by wanda_land | 2006-03-30 21:56 | ワンだ日記
子供の頃に比べると随分食べ物の好き嫌いが少なくなったが、逆に大人に
なって絶対に口にできなくなった物がある。
それは「なまこ」だ。

世間には味も形も色もいい食べ物ががわんさとあるのに、何が悲しゅうて
あんなぐにょぐにょでどよんどよんでぶるんぶるんのグロテスクな物体にまで
手を出すのだろうか。

私も小さい時はなまこの酢の物を食べていた。
まさに無知の成せるわざである。
純粋無垢だった子供を騙し、大人達はなまこ本体がどんなに醜い姿を
しているかをひた隠しに隠し、いたいけな私が気づかないのをいい事に
折に触れて食らわせていたのだ。

酒飲みが好きそうな食べ物が好物だったので、何も知らずにこのわたを
白いご飯に乗せてぱかぱか食べていたが、大人になってこのわたが
ナニモノなのかを知って愕然とした。
なまこ自体を見るのもイヤなのに、何が悲しゅうてそいつの臓物まで
食べていたのだろう。

職場でそんな自分の暗い過去をしていたら、同僚の猫畑さんが目をきらきら
させながらこう言った。

「えーっ、なまこが嫌い? うっそーーー!
私なまこだーーーい好きーー!
小学生の時お小遣いを貰ったら、それを握り締めてなまこを走って買いに
行ってましたよー。
それをねー、自分で切ってねー、いーーっぱい食べてた。
なまこって美味しいですよねーー♪」

チョコやアイスの代わりになまこを買いに走る小学生。
好みが渋い。

私が決めている「絶対食べない物」のルールはただ1つ。
気持ち悪くて触れない物は食べない事、だ
ウニだけは好物なので特例としているが、もしウニがまな板の上で
にょこにょこ動いているのを見てしまったら。。。。
by wanda_land | 2006-03-28 22:23 | ワンだ日記
そうやってへとへとになりながら改札口で待っていた友人と落ち合う。
この1時間で半日分以上のエネルギーを使い果たした私と友人は、
最近オープンしたばかりの喫茶店に入った。

ここは車椅子でもスムーズに入れる、というのがウリらしいが、コーヒー・
紅茶等飲み物が6種類くらいしかないし、それ以外はいかにも素人さんが
作りましたという感じの素朴な味の(婉曲的な表現を使っております。)
バナナケーキやクッキーがちょろっと置いてあるだけ。

駅前通りの路面店という絶好のロケーションでありながら、学園祭のバザー
よりも遥かにメニューが少ない。
私は数日前からパフェモードに切り替わっていたので、これはちょっと
きつい。
こんな控え目な(かなり婉曲的な表現を使っております。)メニューで、
このお店どうなるコトやら。

映画のチケットを買い、上映時間までジャスコ内をぶらぶらする。
ペットショップにホワイト・シュナウザーの仔犬がいた。
我が家にはミニチュア・シュナウザーがいたが、真っ白いシュナウザーを
見るのは初めてだ。

もう生後4ヶ月。
このまま飼ってくれる人が現れなかったらどうなるんだろう。
愛くるしい仔犬や仔猫を見るのは大好きだが、行き先の無いコ達の将来を
考えると気が重くなる。

「ナルニア国物語」
レビューを検索したら出てくる出てくる酷評ばかり山の様にあって、
ちょっと白けてしまう。
ツッコミどころは多々あったが、私はとても楽しめた。
ルーシー役のジョージー・ヘンリーがめちゃくちゃかわいくて、達者な演技を
見せてくれた。

顔中をくしゃくしゃにして泣き出すシーンが母性本能をくすぐる。
ルーシーが目の前にいたら、きっと頭をこなごなにして内臓が口から
出そうな程彼女をぎゅうううぅっと抱きしめたに違いない。
目の前にいなくてよかった。

白い魔女が支配するナルニア国の住人フォーンのタムナスがルーシーを
自宅へと誘おうとするが、ルーシーが遊びに行くと決心した理由がイイ。

「紅茶もあるしケーキやいわしの缶詰もありますよ。」
「いわしの缶詰があるなら。。」
ルーシーはまだ6~7歳といった感じだが、ケーキではなくていわしに
釣られるとはかなりの渋好みだ。

映画の予告編で「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観た。
またジョニー・デップ演じるへろへろぐでぐでの、ステキなスパロー船長に
会えると思うとワクワクする。
「ダ・ヴィンチ・コード」も5月に公開予定。
楽しみが増えた。
by wanda_land | 2006-03-26 22:27 | ワンだ日記
私は完璧主義者である。
ところがカミサマはイジワルなもので、その反面頭のてっぺんから尻尾の
先まで何もかも死ぬほどそそっかしい。
どのくらいそそっかしいかと言うと、今の人生を選んじゃったぐらい
そそっかしい。

どうやら私は完璧にやりたいのにできなくていつもがっくり落ち込み、
また失敗するのが恐くてたまらない、へたれ完璧主義者らしい。
特にたった1人で乗り慣れない交通機関を利用したり、行った事の無い
或いはあってもはっきり覚えていない場所を目指す時に、この欠点が
顕著となる。

常日頃殆ど縁の無いJRを利用する時がまたものすごく緊張するのだ。
駅へ向かう途中側溝のフタの穴の部分に爪先が入っちゃったらどうしよう
とか、急いで横断歩道を渡る時にすっ転んだらどうしようとか、駅の階段で
足を踏み外したらどうしようとか、まっさかさまに落ちてぱんつ丸出しに
なったらどうしようとか、何しろ心配事が多い。

チケットを買うのも緊張する。
目的地のボタンを瞬時に捜し出し、それが大人用で片道で乗車券と
特急券が一緒になっているのを確認するのにひと苦労である。

後ろに並んでいる人が気になって仕方が無い。
きっと私がまごまごしてるのを見て苛立っているだろうな、お札で払って
お釣りをできるだけ素早く掻き集めた方が早いかな、それともお釣りが
無い様に小銭を出した方がいいかな、いやいやおぼつかない手つきで
1枚ずつ入れる方がもっと時間がかかるかも。。。

チケットを手にしても緊張と焦りはまだ続く。
次は「禁煙の自由席に乗る」という大事な目的が控えている。
構内アナウンスの内容がすんなり頭に入らずに、「喫煙車」と「禁煙車」の
どちらが禁煙車なのか分からなくなるくらいどきどきしてしまう。

禁煙マークと「禁煙車」の文字をしっかり確認し、なるべくドアの近くに座る。
降りる時に通路でよろけて他の乗客の膝に座り込んでしまったり、ドアに
辿り着く前に電車が出発する危険性を低くする為である。
居眠りでもして乗り過ごす事が無い様、携帯のアラームを到着時刻より
5分程早目に設定し、マナーにして握り締めておくのも忘れない。

電車から降りる時も要注意である。
電車とプラットフォームの間にすっぽりはまり込まないよう、用心しながら
足を下ろす。

無事に電車から降りてもまだまだ危険は去っていない。
気を許した途端駅の階段で足を踏み外すかもしれないので、手すりに近い
端っこのところを選んで降りて行く。
何事も無く改札口を通ってやっと胸を撫で下ろす事ができる。

   ツカレタ。。。。
by wanda_land | 2006-03-26 00:35 | ワンだ日記
「鬼山さんは自分の意見を上から押し付けようとするんですけど、
私はその人の意見をまず聞いて、それから私はこう思うって言う様な
やり方なんですよ。
でも『そんなのいちいち聞く必要無い。こうして!って言えばいいんだ
から。』って鬼山さんは言うんですよ。」
傲慢な鬼山らしい言い草だ。

私は犬山さんの車に乗せてもらい、猫嶋さんとは別々に喫茶店へと
向かっていたが、犬山さんは喫茶店の駐車場に着いても話が止まらない。

「それに猫嶋さんも前の職場で色々大変な事があって、ちょっと欝に
なってたっていうのを聞いてたんで、ああ、そうか~って思ったんですけど、
それだって鬼山さんは『そんなの関係無い。』って言うんですよー。」

病気を苦にして自殺を考えた事もある、と告白した自分の夫に対し、
「『へー そうね。じゃ自殺したら?なんでしなかったの?
すればいいやない。』って言ってやったさ。」と平気な顔をしていた冷酷な
鬼山の事だ。
さもありなん。

パフェを食べながら2人の話に耳を傾けた。

「外出ったって何してんだかわかんないですよ。
鬼林さんは訪問とか言いながら、旅行会社とか家具屋さんに頻繁に
行ってるみたいなんですよ。
それが見つかってこの間事務長から『旅行会社に何しに行ったの~?』って
聞かれた時なんか『チケットを取りに行っただけです!』って言ってました。」

「鬼山さんも仕事中に銀行に行ったとか言ってて~。
『息子の用事で振込みに行ったけど、銀行員の態度が悪かった。』って
ぶーぶー文句言ってました。」
やってくれるじゃないか鬼山・鬼林よ。

忘年会で珍しく泥酔した鬼山を、猫嶋さんと事務長の2人で自宅まで
送り届けた事があったらしく、「鬼山さん、ふらふらしてブーツも履けない
状態で、周囲に人(同僚)はいるのに皆しらーっとしてて無視するんですよ。
それに帰る途中で『吐きたい。』って言われて~。
新車だから絶対それは止めてくれって思って、もう吐いたらコロスって
思いましたよ~。

家に着いて玄関の中に入って家族の人を呼んでも、だーれも出て来ようと
しないんですよ。」
家族からも嫌われているのか。

「どさくさ紛れて一発殴っときゃよかったのに。」
「あー そうですねー。でもそんな事したら後が恐いですもん。
きっと一生恨まれますよ。」
それはそうだろう。
何でもない事で勝手に逆ギレして、1週間以上口をきかない人だもの。

私がいなくなってから更に傲慢振りがエスカレートしていく鬼山・鬼林コンビ。
優しくて穏やな犬山さんと猫嶋さんをして「シネ!」「シンデロ!」を連発させる
このコンビの未来やいかに。
その内必ずや天罰が下ると思い知れ。
by wanda_land | 2006-03-24 22:50 | ワンだ日記
今日は犬山さんと猫嶋さんの3人でご飯を食べに行き、鬼山・鬼林コンビの
新情報を手に入れた。
(世界最恐最強の鬼山・鬼林コンビに関するエピソードは、H17年6月頃
からワンだ日記に延々書いている。)

鬼山と鬼林、それ相当にやっちゃってくれちゃているらしい。
大人しくなるどころか、押さえがないのをいい事にますますパワーアップ
しているという。

主任だった私には「ケアマネジャーがするべき事なのに、何でもかんでも
犬山さんにさせているじゃないですか。」と散々非難していた鬼山は、
私がいなくなってからは郵便物の開封もFAXも、犬山さんと猫嶋さんに
当たり前の様にさせているわけだが、今は車のキーを取りに行くのさえ
人を顎で使っている。
自分が言った事などすっかり忘れているらしい。

去年からボーナスの査定の為、各部署の責任者が職員の面接にあたって
いて、これがまたトラブルの種になっている様だ。

「私達は鬼山さんと鬼林さんの2人で面接だったんですよ。」

なんたる悲劇。
鬼山1人でも100人分くらいの威圧感があるのに、鬼林まで加わられては
たまらんだろう。
実際に面接中犬山さんは膝ががくがくしていたらしい。

「それがですねー、もうカッチーンと来ましたよ!
何ですかね、あれは!
だいたい普段からうちの事務所って評判が悪いじゃないですか。
だからなるべくよその部署の人達にはいい印象を持ってもらおうと思って、
いつも努力してるんですよ。
仕事を手伝ったりとか、事務所はすごく入りにくいから、誰かが来た時は
『お疲れ様でーす♪』って声を掛けたりとか。
そしたらそんなのが気に入らなかったのか、鬼山さんから面接の時に
『犬山さんて八方美人だもんね。』って言われたんですよ。」

鬼山よ、おまいの八方ブスの方がよっぽど問題じゃないのか?
犬山さんの話はまだまだ続いた。。。。
by wanda_land | 2006-03-23 23:30 | ワンだ日記
曲がりなりにも仏教徒のハシクレであるこの私、お彼岸にちょっと
不可思議な事があった。
はたしてあれは「憑依」と呼ばれるものだったんだろうか。

お彼岸だった。
本山の広々としたお堂には、ご先祖様や餓鬼さん達を供養する読経の
声が響き渡り、私も無心に法華経の如来寿量品を唱えていた。
そうしている間に私の中に異変が起きた。
訳も無く嬉しくて嬉しくてたまらないのだ。

「私の為にこんなにありがたいお経を上げてくれて、みんなありがとう 
 ありがとう。。。。」

感激のあまり涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
お経がまさしく暖かい慈雨の如く天から降りそそぎ、優しく私を包んで
くれるのだ。

ちょいと待てよ。
何を感激しまくってるんだワンだよ。
冷静になって考えてみるんだワンだよ。

ご先祖様やワンだ家周辺をうろちょろしている餓鬼さん達のお供養の
為に、とお経を上げてるのはこの私だ。
なのにいつの間にか立場が逆転して、まるで自分がさまよえる霊になり、
お上人様やお寺に集まった人達からお供養を受けている気になっていた。

頭の半分では「ヘンな事を考えているなぁ。」と疑い、もう半分ではひたすら
ありがたいありがたいと感謝している。
幽霊さんにでも憑依されたのだろうか。
まあ、こんな憑依ならいつでもどんと来い!であろう。
by wanda_land | 2006-03-22 23:34 | ワンだ日記
マッサージと言っても顔にクリームを塗られ、棒状の器具でくるくると
撫でられるだけだ。
まるで喉元に食いつかれて地面に倒れこむ獲物を見る様な目付きで、
6人の女性からじーっと注目されていては、気持ちがいいもへったくれも
ない。

「どうですか?」

マッサージが終わるや否や、隣に座っていた長崎の支店長・狸戸さんが、
探る様に私の目を覗き込んだ。
狸戸さんの顔面がアップになった時、私は思わず心の中で「わっ!」と叫び、
許されるものなら90度ほどのけぞりたかった。

温泉でメイクを落とした彼女のスッピンのど迫力にたじろいだ。
肝臓が悪そうなどす黒い肌は一面そばかすだらけ。
おまけに三白眼で意地悪そうな目付きだ。

  コレを使ってコノ顔?。。。。。絶対要りませんですばい。  

「どうですか?」と言われても「なんだか肌の色が一段明るくなったみたい。」
とか「大きなシミが薄くなった気がします。」などとおべんちゃらを言う気は
さらさら無い。
「いや~、別にどこがどうっていうのは特に無いですね。」
しゃらっと答えてやった。

美容器具はかなり大きいので置き場所に困るし、使わないと分かっている
物に何十万も出せるわけが無い。
価格を最後まで言わない事、そしてそれがどきどきする程高価なのが
マルチの特徴だ。
専用の化粧品も予想通り高価で、基本的なセットが20万円近くだった。

狸山さんから騙した様にして呼び寄せられた事も気に食わなかったし、
6対1という圧倒的多数で私を引きずり込もうとする卑怯な作戦も
気に食わなかった。
めらめらと闘争心が燃え上がったものの、コノ程度で事を荒立てる愚は
犯したくない。

私は終始穏やかに振舞い、素直に「はいはい」と言いながら話を聞き、
いかにも「落とし易い人」と思われる様なフリをした。
なんだかんだ反発していると、かえって彼女達の説明に熱が入って
いつまでも放してもらえないと思ったからだ。

メンバーの1人が町内に住んでいて、今度自宅へ是非マッサージに来て
欲しいとしつこく食い下がってきたので、一応その場を収める為に
首を縦に振っておいたが、後日狸山さんに断りの電話を入れておいた。

マルチビジネスは心の隙にそっと入り込んでくる。
人間に欲がある限りこのあくどい商売は姿形を変えて続いていくのだ。
友達も家族も失ってしまう(かもしれない)マルチにご用心ご用心。
by wanda_land | 2006-03-20 21:42 | ワンだ日記
「ワンださんはラッキーなんですよ~。
今日は長崎の支店長さんの狸戸さんが来てらっしゃるんですよ~。
狸戸さんはほんっとに凄い方なんですよ~。
とーっても素晴らしいんですよ~。」

最年長の女性が笑顔で頷いた。
どう凄いか分からないし知りたくもないが、彼女をひと目見てこれは
まずいと思った。
支店長にまでのし上がったのだから、それだけ押しも強かろう。

憂鬱な気分になっているところで、メイクを落とすように言われた。
やっと本題に入りそうだ。
クレンジングでメイクを落としタオルで髪をくるむと、嬉し恥ずかし
スッピンの顔が丸出しとなり、狸戸さんがすかさずこう言った。
「あらっ、ま~、この方あの役者さんに似てる!ねっ、ほら、あの歌舞伎の
〇△さん!」

何十年も前に現役だった役者さんらしいが、後でそれを話すと母は
「へっ、〇△さん? うんうん知ってるさ。
 なーにがよ。全然似てないよ。」と鼻で笑っていた。

「化粧品は何をお使いですか?」
「はぁそうですねぇ。前はランコムとかカリタとかエスティー・ローダーを
ちょこちょこ使ってましたけど、今は国産のをごっちゃにして使ってますね。
最初はいいと思ってても、2本目3本目になるとなーんかあんまり効果が
感じられなかったもんで。。。」

「そうやってあちこち梯子したらあんまり良くないですよ。
今はそれでよくても5年後10年後に後悔するかもしれませんよ。
今からちゃんとした化粧品でお手入れしないと、後から泣く事になったら
どうします?」
どうもされませんですよ。
少なくともあんたに迷惑はかけんじゃろちゅう話である。

狸山さんに「顔のマッサージをしてあげるから。」と言われて来ただけ
なのに、今まさに美顔器と化粧品を売りつけようとされているのだ。
私を取り囲んだ女性達が固唾を飲んで見守っていた。
私はどんな質問にもできるだけ感じ良くはきはきと答えていた。
彼女達はきっと私を100%落とせる、と思っていたに違いない。
by wanda_land | 2006-03-18 21:54 | ワンだ日記