人気ブログランキング |
ブログトップ

ワンだ~ランド

wandaland.exblog.jp

なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

<   2007年 06月 ( 20 )   > この月の画像一覧

何かと先輩犬アーニーを優先し、可愛がっていた
のも原因の1つだったかもしれないが、ナナは
どんどん生意気な犬になっていき、時々脱走
しては私達を困らせた。

切り立った崖を巧みに下ってまんまとフェンスの
外に出るナナ。
後を追いかけようとすると更に遠くへ走って
行ったり、わざと近寄って来ては飛ぶ様に逃げて
しまうナナが憎らしくてたまらなかった。

諦めて玄関のドアを閉めていると、今度は家の外で
夜中吠えまくるので知らん顔もできない。
おやつを持って探し回るはめになる。

崖から転げ落ちそうになりながらどんなに母が
バリケードを強化しても、どこからともなく外に
這い出してしまう。
母がケガでもしたらナナをどうしてくれよう、と
私は苛々していた。

きっとアーニーも迷惑しているに違いない。
ある時思い余って動物とコミュニケーションが
取れる猫福さんに話してみると、
「ナナはまだ子供だしね。」
「でもアーニーは『いい』って言ってるよ~。」と
実にあっさりしたコメントが返ってきた。

アーニーは平気なの。。。。?

アーニーは元々気のいい犬だったが、とりわけ
彼に傍若無人な態度を取るナナに対して妙に寛大
だった。
アーニーとナナがソウルメイトだとすれば、
なるほど納得である。

脱走してそこら中を好きなだけうろちょろして
いたくせに、ナナは帰るや否や心配して待っていた
アーニーをガウガウ唸りながら噛みまくるのだ。
それは逆だろう。

ナナを叱りつけていると、大慌てで私とナナの間に
割り込んできたり、それまでのほほ~んと寝ていた
アーニーがすっくと立ち上がり、まるで
「もうやめてね。許してやってよ。
 お願いだから。 ね ね ね。」とでも言う様に
前肢を私の腕にかけていた。

ますますアーニーをかわいいと思う一方で、ナナは
どちらかと言うと疎ましい存在になっていた。

アーニーの命はそう長くはない。
膝を悪くしていてリハビリを受けている母と、
運転できない私。
車の運転は今のところ母に頼りっ放しだが、もし
病気やケガをしてもすぐに動物病院に連れて
行けなくなる日もそう遠くない。

私はアーニーの二代目を飼うのはとっくに諦めて
いる。
後に残されるのはナナだけ。
ナナは到底アーニーの代わりには成れないし、
落ち込んでしまってナナをほったらかしにするかも
しれない、と心配していた。

しかしあの日猫福さんの次のひと言で不安は無く
なった。。。
by wanda_land | 2007-06-30 21:10 | アーニーのお話
沢山のご褒美のお陰で思いのほか安らかな気持ちで
この1週間を過ごせたわけだが、実は嬉しくて
舞い上がってしまいそうなビッグニュースを聞いて
いたのである。

その時は絶対に他言は無用という事だったので、
ブログにさえも書かなかったのだが、お許しが
出たのでやっと大っぴらに話せる。。。。。


アーニーが逝った翌日、なんとか普段通り仕事を
終え、猫福さんからのメールにじっくり目を
通したくて帰りを急いでいると、施設長から
呼び止められた。

「ワンださん、聞いてます?  知らない?
事務長から何も話があってない?」

何か深刻な内容らしい。

「香奈さんがですね、今度こっちに異動になる
そうですよっ。」

またもや起るはずの無い事が起きてしまった。

香奈さんとはもう1度一緒に仕事をしたい、
こっちの職場に来たらきっと心も癒されるのにと
ずっと思っていたが、それが実現してしまった
のだ。

職場はワーカーさんが中心で、事務は私1人しか
いない。
事務と言っても以前いた部署に比べると遥かに
簡単な内容で、仕事量も俄然少ない。

私はある程度自分の仕事が終わったら、調理に
入ったり入居者さんとのコミュニケーションを
取ったりと、地味にワーカーさんのサポートを
している。

つまりワーカーさんが兼任できるレベルの仕事
なので、事務員が2人というのは多過ぎるのだ。

そう言った意味では有能な香奈さんは、うちには
もったいないぐらいの人なのだが、その後は現在
建設中の老人ホームへ再び異動が決定している
そうだ。

この間香奈さんと会った時もかなり辛そうだった
ので、ずっと気になっていたのだが、そんな憂鬱な
日々とももうしばらくしたらお別れだ。 万歳!!

先日久々に鬼山の姿を見た。
スッピンだったのか口紅が取れているだけなのか、
顔色が悪く表情も冴えなかった。
全体的にどす黒いものを醸し出していて、あまりの
荒み方に私は彼女を直視できなかった。

さてそうなるとますます立場が危うくなるのは1人
残された綾乃さんだが、こうなったら他の部署の
事務員と交代させてはどうだろう。

もう5~6年は経っていると言うのに、いまだに
新人気分で全く仕事ができない事務員がいる。
上司からばりばり怒られても「暖簾に腕押し」
「ぬかに釘」らしい。
私も彼女には苛々させられた事が何度もあった。

綾乃さんを他の部署に異動させ、その事務員を
最終兵器として投入して、鬼山・鬼林がどう反応
するか見たいものである。

3年以上気になっていた事があっさりと解決して
しまった。

明日は中途半端だったナナの話に戻ろう。
by wanda_land | 2007-06-30 00:28 | アーニーのお話
知人から譲り受けたこの雑種犬にも、格別の
エピソードがある。

あれはまだ巨大掲示板に猫福さんのスレッドが
あった頃だった。
「動物霊の話でまたーりするスレ」では、飼って
いるペットや亡くなったペットに関する相談事や
思い出話でいつも賑わっていた。

そこへRUIさんと名乗る人がむくちゃんという
飼い犬の事で書き込みをしていた。
彼女はむくちゃんを幸せにしてやれなかった後悔と、
申し訳ないという気持ちを正直に告白していた。

猫福さんは、「心配しないでいいから。
むくちゃんはもう生まれ変わって可愛がって
もらえる家に行きましたよ。」という様な内容の
レスと共に、生まれ変わったむくちゃんの画像の
URLが貼り付けてあった。

ほほ~、もう生まれ変わったのか、でもどうやって
こんないいタイミングで見つけ出したんだろう、と
思いながらそのURLをクリックした。

一瞬のけぞった。
なんとそれは私が画像掲示板で公開したナナの
画像だったのだ。

アーニーも仔犬の頃はそれはもうやんちゃな
犬だったが、ナナはそれを更に上回る凶暴犬だった。

とにかく噛む。
家族もアーニーも噛みまくる。
口吻を握って噛んではいけないと教えようとしても、
その手を振り切ってまた噛み付く、という具合
だった。

寒い日はアーニーにぺたんと寄り添って暖を
取っているくせに、気に食わない事があると
ガウガウ唸りながらアーニーの耳や後肢を噛む。
止めようとしてたまたま私も噛まれた事があるが、
結構痛かった。

アーニーがナナに噛まれる度に、
「アーニーパパは大変だね~。
アーニーはやっぱり優しいわんこだね~。」と
褒めちぎる一方で、ますますナナを小憎らしいと
思う気持ちが増していった。

きかん坊で我がままで先輩犬に小生意気な態度を
取るナナと、どんなにナナからひどく齧られても
のほほ~んとして許していたアーニー。
私の愛情は当然アーニーに偏った。

昨日や今日ワンだ家にやって来たチビの雌犬に、
どうしてこんなに寛大なんだろうと常々不思議に
思っていたので、思い余って猫福さんに相談する
事にしたのだが。。。
by wanda_land | 2007-06-27 21:45 | アーニーのお話
その「お役目」が何なのかなんとなく予感は
あったものの、それは私の勝手な想像でしか
ない。
猫福さんはごくごくさり気なくこう続けた。

「アーニーはワンださんのソウルメイト
だからさ。」

ソウルメイト。   魂の友。

猫福さんの言葉が優しくて暖かい光に変り、
体中をふわりと包む。

ソウルメイトは輪廻転生を前提にしている。
時が移り変わり人種や性別が違っても、深い
縁のある魂同士は何度も巡り合うそうだ。
その出会いの全てに意味があると言う。

私のソウルメイトって誰なんだろうなぁ、
何人ぐらいいるんだろう、どうしたらこの人が
そうなんだって分かるんだろう、と時々考えて
いたが、こんなに身近に、しかも飼い犬として
いるとは想像もしていなかった。

我が家にはもう1匹ナナという雑種がいるが、
アーニーに感じる愛情をナナにはどうしても
感じられなかった。

「ナナはね、直接ワンださんとではないんだ
けど、アーニーのソウルメイトだったんだよ。」

アーニーと私、そしてアーニーとナナ。
それぞれが切っても切れない深い絆で結ばれて
いるとは。。。

とすると、皮肉にも私は2回もこの運命的な
出会いの邪魔をしようとした事になる。
何故なら12年前私はアーニーを飼う事に反対
していたからだ。

当時我が家には2匹の犬達がいて、そこへ
前からずっと欲しかった仔犬がやって来たら、
先輩犬そっちのけで仔犬に夢中になるのは分かり
きっていた。

最悪の場合保健所行きになるところだったナナの
話が出た時も、私は全く乗り気ではなかった。
自分の精神状態が最悪だった事も無関係では
ないし、どうせ飼うなら好きな犬種の仔犬がいい、
雑種だと成犬になった時にどんな顔に変るか
分らないという思いもあったからだ。
(実際ナナはタヌキ顔からキツネ顔に大変身を
遂げてしまった。)
by wanda_land | 2007-06-26 21:44 | アーニーのお話
アーニーに紫陽花を手向けてくれた職員さんと
出勤途中で会ったので、やっとお礼を言う事が
できた。

「残念だったですね~。」という言葉がとても
暖かく感じて、道路の真ん中で危うく号泣しそう
になった。

普段通り仕事をしているが、帰宅して1人に
なるとまだめそめそしている。
朝起きると瞼が腫れていて、目が開けにくくて
仕方が無い。

しかしそれでも私は着実に立ち直っている。
(と思う。)

今まで何匹も犬を飼っていたが、彼等の事を
思い出す時はどうしても後悔の念や後ろめたい
気持ちが強くなり、落ち込んでしまう。
お供養代わりに楽しかった事を思い浮かべようと
しても、なかなかできないのだ。

しかしアーニーは違う。
もっと一緒の時間を作ってやればよかった、
あの時叱らなければよかった、と後悔する気持ちも
もちろんあるが、何故か暖かい想いが胸いっぱいに
満ちてくるのだ。

急変時から亡くなるまで付きっきりで看病できた
事や、これ以上望むべくも無い程穏やかな死を、
家族揃って看取った事への満足感だけではない。

それは多分私とアーニーとの深い縁が関係して
いるのだと思う。

犬嫌いの施設長でさえ、
「犬の看病で休むなんて普通考えられんですよ~。
でも私はワンださんの方が心配やったな~。
仕事に出て来ないかと思ってた。」と言うほどの
落ち込みぶりを予想されていた私が、きっと
立ち直ってみせると言い切れるのは、猫福さん
(仮名)という超強力な助っ人のお陰だった。

ネットビジネスの傍ら、ペットに関する相談事を
一手に引き受けていたのが猫福さんだった。
もちろんプライベートの時間を使っての
ボランティアだ。

TVで見かけるアニマル・コミュニケーターは、
その動物や家族と直接会い、動物から流れて来る
映像や思念をキャッチできるわけだが、
猫福さんはそれを遥かに上回る特異能力を持って
いる。

掲示板の書き込みに込められた飼い主さんの思念
を辿って、家出した動物とコンタクトを取ったり、
家族の気持ちを彼等に伝えたり、必要に応じて
遠隔ヒーリングまでやってしまう。

アーニーに付き添っていた2日目の事。
猫福さんから様子伺いのメールをもらったので、
折り返し電話を掛けた。

彼の状態を報告したりアドバイスをもらったりと、
猫福さんとはこの2日間メールと電話で頻繁に
連絡を取り合っていたが、私はいつも泣きべそを
掻きながら話していた。

今日あたりだなという予感があったので、いつも
以上にしゃくり上げながら喋っていると猫福さんが
「でもさ、アーニーはちゃんとお役目を果たして
くれたからさ。」と思いがけない事を言った。

「えっ?  お役目。。。。。?」

猫福さんの次の言葉を聞いた時、私は驚くと共に
厚いカーテンがさっと開いて明るくなった様な、
何かがすとんと腑に落ちた様なえも言われぬ感覚
に陥った。
by wanda_land | 2007-06-25 22:51 | アーニーのお話
少しでも穏やかな雰囲気を作りたいと思い、
私は彼に歌を聞かせる事にした。

 アーニーちゃん アーニーちゃん 
 アニア二ちゃん♪
 アーニーちゃん アーニーちゃん 
 アニア二ちゃん♪
 アーニー大好きよ アーニー大好きよ♪
 アーニーぽんぽこりん アーニーぽんぽこりん♪

私が作詞作曲して、彼と2人きりの時だけに歌って
いたへんてこりんな歌だ。

もう少しまともな歌がないものか。
そうだ、子守唄がいいかもしれない。。。

ところが「シューベルトの子守唄」も
「モーツァルトの子守唄」も「竹田の子守唄」も、
途中までしか歌詞を覚えていない。

ハミングしながらさて次は何を歌おうかと
考えていたら、何故だか「薔薇が咲いた」が
真っ先に頭に浮かんだ。

特に好きな歌でもないし、職場で入居者さん達と
一緒に何回か歌った事がある程度だった。

‘’バラが咲いた バラが咲いた 
  真っ赤なバラが
  寂しかった僕の庭にバラが咲いた♪‘’

楽しい感じの曲だが、私はすぐに後悔し始めた。
2番まではいいが、3番の歌詞でバラは散って
しまうからだ。
アーニーの死期が目の前に迫っているというのに、
「散る」などと縁起でもない。

それでも歌い続けている内に私はおや?と思った。
せっかく咲いたバラは散ってしまうが、代わりに
「寂しかった僕の心にバラが咲い」ているのだ。

まるでこの歌を通して、アーニーが死んでしまっても
私の心に彼はずっと生き続けるのだから、そんなに
悲しむ事はないんだよ、と教えてもらったかの
様でもあった。

いつまでも心の中で生きている。。。。
大事な存在を失った時にしばしば使われる言葉
だが、いざ自分がそんな状況に直面してみると、
それだけでは足りないのだ。
慰めにはならない。
悲しみが大き過ぎると、思い出だけでは生きて
行けなくなる。

しかしその時私は確信した。
彼は私の心の中に確かに存在し続けると。

昨日の日記でも数々の「ご褒美」の事に触れたが、
それは今から書く事に比べたらほんのささやかな
ものだった。

アーニーが私との約束を守ってくれたのは、私に
とって最大の「ご褒美」だったが、実はもっと
大きな「ご褒美」が用意されていた。
そしてまさにそれこそが壊れそうな私の心を救って
くれたのである。
by wanda_land | 2007-06-24 22:45 | アーニーのお話
今朝そろそろ仕事に行こうとしている時に、
うちの職員さんが自宅の前を通り過ぎて
フェンスの方へ行くのをレースのカーテン越しに
見かけた。
手には花束の様なものを持っている。

アーニーとナナはいつもフェンスの向こう側に
放し飼いにしてあり、犬好きの職員さんから
名前を呼んでもらったり、おやつをもらったり
したものだ。

外に出てみるとフェンスには、きれいな包装紙に
包まれた紫陽花の花束がそっと立てかけられて
いた。

彼が動物病院で死後の処置をしてもらった時に、
顔の横に添えられていたのも同じ紫色の紫陽花
だった。

「お母さん、職員さんからアーニーに紫陽花を
もらったみたいよ。」

彼女の暖かい心遣いに抑えていた思いが溢れ、
つい涙声になってしまう。
「残念でしたね。」と声をかけてくれる同僚達。
アーニーは沢山の人に愛されていたんだね。。。

彼の最後の2日間に頂いた数々の「ご褒美」は、
彼を失った悲しみを随分軽くしてくれた。

それは彼の異変をいち早く発見できた事、施設長も
主任も2日間のお休みを快く承諾してくれた事、
それほどひどく雨も降らず、1日中爽やかな風が
吹いてとても過ごし易かった事、主治医の先生が
大先生と2人揃って往診して下さった事、ヤキモチ
焼きのナナが珍しく吠えもせず大人しく自分だけ
犬小屋で寝てくれた事、母も傍にいて私の手の平に
顎を乗せたまま逝ってしまった事、痙攣も無く
呼吸苦にもがき苦しむ事もなく穏やかな最期を
迎えた事、動物病院に亡き骸を運ぶ際に、ちょうど
自宅の前を通りかかった職員さん達に手伝って
もらった事、病院にはいつもより患者さんが
少なかった事などだ。

少し不自然な姿勢を数分取っただけで強烈な痛みに
襲われ、3週間近く悩まされた腰痛持ちの私が、
地べたに座り込んで長時間に渡って前かがみのまま
アーニーを撫でる日が丸2日続いたにもかかわらず、
後遺症が全く無いのも実に妙な話だ。

神様(の様な存在)からのご褒美。
そんな気がしてならない。
by wanda_land | 2007-06-23 22:31 | アーニーのお話
どこから始めればいいのか、どこまで書けばいい
のか迷うところだが、これからアーニーの事を
語りたい。

現在ペットロスで苦しんでいる人や、以前の私の
様にペットを失うのが恐くてたまらない人には
特に読んで頂きたい。
そしていっときでも気持ちが安らぎ、愛するものを
失った悲しみがほんの少し癒えるなら本望だ。

昨日の午後3時半まで彼は確かに私と一緒にいた。
でも今は彼の首輪と歯だけが残っている。。。。

6月21日(木曜日)午後3時半。
玄関に寝せていたアーニーが一瞬目を見開いた。
ずっと早くて浅い呼吸が続き、顔面が鬱血して
大きく腫れあがり、鼻腔を圧迫していたせいもあり、
呼吸する時にグーグー言っていたが、急に静かに
なった。

呼吸の度に腹部から胸部にかけてぶるぶる震えて
いたのに、その動きが小さくなった。
目を見開いたのは、私がそろそろかなと思った
直後だった。
あっ、と思った途端「ふっ」と大きく息を吐いた。

「お母さん、ちょっと来て!
 アーニーがおかしいよ!」

それまで家の中でごそごそしていて、その時
たまたま玄関にいた母に呼びかけると、母は
大慌てで駆け寄って来た。

彼がまた「ふっ」と息を吐く。
それが最期だった。
まるで寝ている様な安らかな死に顔だった。

いや、正確に言うと彼は目を閉じていない。
いつもの様に伏せをして、つぶらな瞳をこちらに
向けたまま、のんびり休んでいる時と何ひとつ
変らなかった。

「アーニー!! 死んだらだめーー!!」

私は必死に叫んだ。
無駄だと分かっているのに。
母は「アーニー!ありがとう!」と言いながら
おいおい泣いていた。

体重37キロの犬を抱くのは難しい。
しかもちょっと動かしただけでも弱りきった心臓
には多大な負担になる。
でも少しの間だけでも抱っこしてやりたい。。。

私は代わりに彼の顎を手の平に乗せる事にした。
かなり重い。
段々手が痺れてくるし、長時間前かがみになるのは
かなりきついが、なんとなく予感があり、そのままの
姿勢で時々アーニーの前肢を握ったりしていた。

そして彼は私の左手に顎を乗せたまま逝って
しまった。

色々と願いはあったが、私の1番の願いは私と母が
傍についている時に彼が逝く事だった。
彼にはもっと元気な時によく言い聞かせていた
ものだ。
それは彼との「約束」だった。

「アーニーが逝く時は私とお母さんがいる時だよ。
『こんな姿は見せたくない。』とか言って、1人で
逝っちゃだめだよ。
そんなの絶対に許さないからね。
そんな事したら一生恨むからね。
嫌いになるからね。分った?約束だよ。」と。

彼は約束をきっちり守ってくれた。

こんな緊急事態の時に外出し、帰宅予定を過ぎても
帰って来ない母を少し恨んだが、それでも彼は
母の帰りを辛抱強く待ってくれた。

数々の小さな奇跡が起きた。
奇跡という言葉が大袈裟ならば、それを「ご褒美」
と言い換えても構わない。
by wanda_land | 2007-06-22 22:22 | アーニーのお話
彼を送り出した。
自分の冷静さを意外だと思う。
もっと泣き喚いて自暴自棄になるかと心配して
いたのに、この落ち着きぶりはどうだろう。

今日午後3時半、愛犬アーニーが逝ってしまった。
私がこの世で1番愛した犬であり、宝物であり、
かけがえの無い家族だった。

この日が来る事をあんなに恐れていたのに、
今は悲しみはあっても大きな混乱は無い。

特に最後の2日間はいくつもの小さな奇跡が
重なり、私の願いも叶った。
それはおいおい書いていきたいと思う。
今日は3日ぶりにお蒲団でゆっくり休んで、
パワーチャージしよう。。。
by wanda_land | 2007-06-22 13:32 | ワンだ日記
私が今の職場に異動する時に、1番気になって
いたのはこの虎の穴に1人残された香奈さんの
事だった。

1番身近にいる人で香奈さんほど私の苦境を
知り尽くし、香奈さんほどさり気なく私を
カバーしてくれた人はいない。

私と違って仕事をきちんとこなしていたので、
鬼山・鬼林コンビから手ひどく苛められる事は
まず無いだろうと思ったが、それでもあの2人が
醸し出す果てしなく陰険な雰囲気を考えると、
私は心配でならなかった。

今は綾乃さんと2人でなんとか切り抜けているが、
綾乃さんもなんとなく表情が冴えない。

月曜からまた憂鬱な日々が始まるかと思うと、
日曜日の午後3時くらいになると果てしなく
気分が落ち込み、毎日朝が来るのが恐くて恐くて
たまらなかったと話すと、
「ああ、私もそうなんですよ~~。
もう嫌で嫌でたまらないんですよ~。」と顔を
くしゃくしゃにして訴える香奈さんにどきりと
した。

「でもまあ、まだ大丈夫です!」と健気に言って
いたが、心の病の進行は案外自分では気づかない
ものだ。

私も「食欲があるからまだ大丈夫。」
「笑う時もあるからまだ大丈夫。」
「身なりに気を使えているからまだ大丈夫。」と
思い続けていたが、これは大勘違いだったと後で
分る。

心配して声を掛けてくれた上司に対して、
「はい。。。だいじょうぶです。。。。。。」
と答えていた時は、既に魂が半分抜けた様な状態
だった。

あの頃の気持ちに戻り、ネットでうつ度チェック
をしてみたら、「重度のうつ病が疑われます。
早く病院へ行きましょう。」というありがたい
判定結果が出たものだ。

香奈さんと綾乃さんがどんなに貴重な存在なのか、
彼女達に(特に鬼山には)分かっていないと
みえる。
分っていればもっと大事にするはずだ。

いっその事香奈さん達をよそに異動させて、
代わりに頭スカスカで仕事嫌いでぱーちくりんな
おねーちゃん達を事務員として連れて来れば
いいのだ。

鬼林の方は最近口調が優しくなっているらしい。
きっと上司から呼びつけられて注意されたせい
だろうが、人間はそう簡単に変われないのだ。

この2人には中途半端に良くなって欲しくない
というのが本音だ。
あのキャラのまま最期まで突っ走ってくれ。
by wanda_land | 2007-06-18 21:54 | ワンだ日記