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ワンだ~ランド

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なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

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9月28日(月)「あの部屋」のこと。。。続き
同僚3人からほぼ同じ時期に聞いた、「あの部屋」に関する
奇妙な話。
そして2件の目撃例。。。

それでふと思い出したのは、問題の「空室」の左隣に入居
されているシラカワさんである。

ある日「隣から話し声が聞こえるけど、隣の部屋にはどなたか
いらっしゃるんですか?」と、スタッフに聞いたそうだ。
もちろんシラカワさんの隣の部屋には誰もいない。
ひと部屋おいてアオヤマさんがいる。

それを聞いた時は部屋を1つ飛ばして、アオヤマさんの部屋
からスタッフとの会話が聞こえてきただけだろうと思って
いたが、それもよく考えるとヘンなのだ。

お隣さん同士なら物音や話し声は聞こえるが、1つ向こうの
部屋の音は殆ど聞こえない。
それにアオヤマさん自身声が小さく、耳を澄まさないと
聞き取れない事がしばしばある。
やはりナニモノかが住んでいるのか。

一緒に夜勤をしたキモトさんに、明け方に聞こえた声の事を
昨日もう1度確認したが、いつも大きな声で独り言を
言ったりため息をつくミドリカワさんの声ではない、と
改めて断言していた。

声が聞こえた方向は、私とキモトさんでは全く逆だった。
お互いに「ワンださんのいる方向から聞こえたって!」
「いや絶対キモトさんのいる方からだったよ!」と
言い合い、最後は声の主はミドリカワさんだったという事で
決着をつけた。

もちろん私もキモトさんもそんな事は信じていないのだが。。。
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by wanda_land | 2009-09-28 22:36 | ワンだ日記
それからまた数日後、夜勤が回ってきた。
相棒はベテランのキモトさんである。

職場には3ケ所にセンサーが設置され、誰かがそこに行くと
音声で知らせてくれる。
遅出のスタッフも帰った後、「裏玄関です。」という声が
スピーカーから流れて来た。

「えっ、裏玄関は私が確かに施錠したけどな。」

キモトさんが首を傾げる。

1度目は軽く無視したが、2回目ともなるとそうもいかない。
2人で「やだ~、うそ~。」と言いながら、薄暗い裏玄関を
見に行く事にした。
先頭を行く私に「ワンだがんばれー、ワンだがんばれー。」と
声を掛けながら、恐る恐る後を付いて来るキモトさん。

やはり玄関にはきちんとカギが掛かっていた。

「きっと虫よ、虫が飛んでるんじゃない?」

「誤作動かもね。あ、そう言えばさっき蚊がいたから
 そのせいよ、多分。」

な~んだ、蚊に反応してるだけなんだ。

その後も3回程音声が聞こえたので、思い余ってキモトさんが
殺虫剤をまき、その後はぴたりと止まった。
1匹の蚊ぐらいでわーわー言っていたのがちょっと恥ずかしい。

が、しかしである。
本当に蚊のせいだったのだろうか。

日中は網戸の無い正面玄関を開けっ放しにしていて、トンボや
蜂が頻繁に入ってくるわけだが、センサーはそれほど敏感には
反応しない。
蚊ぐらいのサイズをこんなに感知するのなら、日中は音声が
鳴りっ放しになりはしないか。。


私は職場のゴミ箱の整理が妙に好きなので、この日も明け方近くに
せっせと片付けていた。
と、女の人の甲高い声が聞こえる。
袋にゴミを詰め込む音が邪魔をして、誰が何を言っているのかは
全く分からない。

どうせまた夜昼構わず大きなため息をついたり、独り言を言う
入居者のミドリカワさんか、キモトさんがそのミドリカワさんに
話し掛けているんだろうと思い手を止めると、その声はぷっつりと
途絶えた。

あまり気にもせず、再びゴミをがさごそしていると、キモトさんが
やって来て、「ねえねえ、ワンださん今何か言った?」と聞いた。

「いや?ミドリカワさんかキモトさんじゃないと?」

「違う!私じゃないよ。
それにミドリカワさんでもないと思うけど。
こっちから(私がいる場所)聞こえたと思ったけどな~。」

キモトさんは私がいた方角から聞こえたと言い、私は絶対に
キモトさんがいた方角から聞こえたと言い張った。

私達じゃないとすると、やはりミドリカワさんに決まりだ。




と、少し前までは思っていたが、どうも引っかかる。

キモトさんがいた事務所の隣にミドリカワさんの居室がある。
キモトさんからすると、ミドリカワさんの方が私より近い所に
いた。
がさごそと音を立てていた私より、キモトさんの方がより
はっきりとその声を聞いているはずだ。

それに声質が全く違うのだから、キモトさんがミドリカワさんと
私の声を聞き間違う筈は無い。

私が聞いたのは独り言と言うよりもむしろ、誰かが誰かに
大きな声で話しかけている、もしくは何かを尋ねている様な
感じだった。

そしてこの日最大の事件はその直後に起きた。

職場にはお仏壇がある。
この土地に関わりのある、人間を卒業した人達のお供養の為
なのだが、夜勤者が毎朝お茶水をお供えする事になっていて、
この日はキモトさんが準備し、私が運ぶ役目を仰せつかった。

淹れたての暖かいとお茶と、お水。。。。
と思いきや、入っていたのは熱湯であった。

「え~~っ、うっそ~~、でもいつもお湯を入れてたよ~~。
 水って水道水でいいと?知らんかった。
 よかった、勉強になったよ。」

こうしてキモトさんとの夜勤は無事に終わったのである。
めでたしめでたし。
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by wanda_land | 2009-09-24 21:21 | ワンだ日記
「ワンださん、あの部屋何か感じらんですか?」
そろそろ仕事を終えようかと思っていた矢先、同僚の
アオヤマくんが急に妙な事を聞いてきた。

「あの部屋」とはAさんとBさんの居室の間にある空室
の事だ。
お天気の悪い日に洗濯物を干す為、ブティックハンガーや
物干し竿を置いている。

ヘンなものは感じないが、なんとなく気にはなる。
しかしそれは部屋のドアがいつも開いていて、その前を通り
過ぎる度に視界にブティックハンガーなどが入るせいだと
思っていた。

「いや~、私は霊感とか無いから別に感じらんけど、
でもな~んか気にはなるよね。
で、アオヤマくんは何か感じる?」

「いや、そういうわけじゃないけど、あそこの前を
通ると何かね。。。。」

アオヤマくんは言葉を濁す。

翌日今度はシロタさんが「あの部屋」の事を言い始めた
ので、私はてっきりアオヤマくんとシロタさんの2人の
間でそれが話題になり、私に話しかけたのかと思って
いたがそうではなく、2人はたまたま1日違いで
「あの部屋」の事を私に言ったらしい。

「あの~、『見た』って言うか、はっきり見たわけじゃ
 ないけど、部屋の前を通った時に目の端にちらっと
見えたから、ああ、誰か洗濯物でも干してるのかなと
思って後戻りしたら、誰もいなかったんですよね~。」

視界ぎりぎりに入ったのは、黒っぽい人影。
これだけでも充分ぞっとしたわけだが、アカシさんの
話を聞いた時はさすがの私もザッと鳥肌が立ち、
思わず両腕を擦ってしまった。

アオヤマくんの話から数日後、一緒に階段を上っていた
アカシさんの話も唐突に始まった。

「私も見ちゃったんです。
あの部屋の前あたりでなんか気になって振り返ったら、
黒っぽいズボンを履いたみたいなのが、あそこらへんに
見えたんですよ。
こう、だら~んと下がった感じ?
顔は見えなかったけど、ズボンだったから男の人かなぁって
感じ?」

彼女が指差したのは階段付近だった。
腕を両脇に下げ、それは中空にだら~んと下がっていたと
言う。
アオヤマくんとシロタさんの話、そして目撃したナニモノか
の様子を真似したアカシさんの格好を見て、またもや
ざわざわと鳥肌が立つ。

「今度ワンださんの当直の時に、あの部屋のクローゼットに
隠れて巡回の時に脅かそうかな~。」
と、アオヤマくんがイジワルな事を言った。

「そんな事したら、おしっこちびるからね。
 いや、あまりの恐ろしさに、逆にぼこぼこにするかも
 しれん。」

まあ、ここに限らず人間を卒業した人達は多分そこここに
いるのだろう。
別に悪さをするわけでもなく、波長が合った時にちらっと
その一部を見せるのかもしれない。

ダイジョブダイジョブ問題ナス。
周りには沢山人もいるしね。
夜勤の時以外は。。。。
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by wanda_land | 2009-09-23 22:19 | ワンだ日記