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ワンだ~ランド

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なにげない出来事を薄く薄くのばしていく金箔職人ワンだの世界

年を取るにつれて癖毛がひどくなってきた。
ドライアーで乾かすと、両サイドがぶくぶくに広がるし、
耳にかけようとすると、斜め横にぴょーんとはねてしまう。

仕方なく細身のタオルをくるりと巻き、顎の下でゴムで
くくって休む。
翌朝は両サイドが落ち着いてなかなかいい感じになるので、
私はこれを「ほっかむり大作戦」と名づけ毎日実行して
いたが、雨の日はどうしてもじわじわと広がってしまう。

今時こんなほっかむりなんぞしているのは、この世の中で
私とカカシくらいなものだろう。

「キャンペーン価格 縮毛矯正パーマ6000円」という
破格の料金につられ、某美容室に行ってみた。
店名を仮に「カイワレ美容室」としよう。
(カタカナ4文字、というところが類似点である。)

何しろホテルの中の美容室だ、それなりにハイソなムードが
漂う空間が広がっている事だろう。

ところが店内に1歩足を踏み入れると、そこには予想だに
しなかった世界が広がっていた。

なんだか汚い。
なんだかとてつもなく散らかっている。

イヤな予感がする。

カウンターにもテーブルにも化粧品だの石鹸だの雑誌
だのが乱雑に乗っている。
壁紙はすすけ、ソファーにはクッションなのか、布製の
トートバッグなのか識別不能の物体やら、誰かの
バッグやら雑誌やらが無造作に置いてあった。
灰皿にはタバコの吸殻が何本も。

イヤな悪寒がする。

ゴミ捨て場で泣いていたのを拾って来たのかと思う程、
サビだらけで年季の入りまくったイスにどっこいしょと
腰掛けるが、だーれもイスを回転してくれないので、
滑り具合の悪いイスを自分でキコキコ動かしながら、
鏡の正面に体を向けた。

イヤな股間がする。

予約の電話に出た人は、若くてきれいでおしゃれでスタイルの
良さそうな「声」だったが、その実態はふつーのすっぴんの
おばちゃんだった。

差し出された週刊誌はきっかり半年前のもの。
遅れて出勤したもう1人の店員さんも、マグカップに
コーヒーを入れたかと思うと、後ろの方でお客の私より先に
飲んでいるではないか。

2人がかりでやってくれるのはいいが、私の濡れた髪が
目の周辺にバッシバシ当たる。
2人とも大雑把なので、両側からバッシバシ当たる。

シャンプーの時は、3回程髪をもみもみしたと思ったら
すぐに洗い流し始めた。
異例の早さである。

ヘアアイロンで髪を伸ばされる時も、力ずくで引っ張る
もんだから、あまりの痛さに思わずコブシを握った。
温厚にして篤実、大和にして撫子、風光にして明媚なこの
仏のワンだも、さすがに忍耐という文字を忘れそうであった。

しかもジリジリジリジリジリジリと、フライパンでお肉でも
炒めているかの様な音がするので、かすかに不安がよぎったが、
後で確認すると、やはり髪の一部が焦げた様にちりちりに
なっていた。

私のバッグは出窓のところにポイッ  と置かれていた。
ふつー、貴重品はロッカーの中じゃろ。

安さにはワケがある、などと言う。

なるほどその通りだ。
# by wanda_land | 2010-03-04 22:36 | ワンだ日記
2ヶ月以上も更新できなかった。嗚呼。
書きたい事は山ほどあるが、その大半は今は公けに
すべきではないし、調べたい事も沢山あるので、
ブログを書く気がなかなか起きない。

以前ある人物(仮にA氏とする。)に「今は隠されて
いた真実が白日の下に晒される時代らしいですよ。」
と話した事がある。

後になって思えば、それは私の口を通して伝えられた
A氏の人生を左右する重要な警告だったんじゃないかと
いう気がする。
しかしこの人物はさらりと聞き流してしまったらしく、
決して撒いてはいけない種をせっせと撒きつつ、どうやら
破滅の道へとまっしぐらに爆進しているらしい。


私達に何が起きたのか、何が起きているのか。。。
くぅぅ~~  言いたい!でも今は言えないもん。


自分の体験を元にお涙頂戴物語は幾つも書けるが、
どうしても堪え切れなくて泣いたのは1度っきりだった。
それはマイナスを挽回しようと必死になっている
身内への罵詈雑言を聞いた時だった。
その時はあまりの辛さに全身が震える程だった。

人は失敗するのが当たり前なのだ。
踏ん張っている人を追い詰めてはならない。

それをどう乗り越えるのか、どう成功に導くのか
想いを巡らせ、工夫し、実行して行くというところ
に価値がある。
それが人間力。

たとえ100%達成できなくても、努力を認めてくれる
人が周囲に必ずいる。
ひっそりと賞賛の目を向けてくれる人が。

自暴自棄になってアルコールやクスリに逃げたり、
愚痴ばかり垂れ流し自分の不運を嘆くだけではだめだ。
歯を食いしばって前へ進まなくては。
トンネルの出口へ向かって。

人は神様の分霊だと言われる。
「自分の心の中に神様はいるんだよ。」という本当の
意味が、今は何となく分かる様な気がする。

1月のお御籤も大吉だった。
うろ覚えだが、「目の前に大幸運が待っています。
感謝しながら仕事に励みなさい。」という内容だった。
去年からずーーっと似た様な事が書いてある。

生まれる前に自分自身で人生設計を立てていたとしたら、
きっと私って超ど級の天才だったと思う。
「お前は本当にこの計画書通りでいけるのか?}と
神様から突っ込まれたに違いない。

事実は小説より奇なり、である。
恐ろしい事件が続発して何もかも失い、死の淵まで
追い込まれるが、あわやというところで大逆転。
私が書いているだろう筋書きだ。
う~ん、人生って面白い!
# by wanda_land | 2010-02-13 12:38 | ワンだ日記
お御籤を引くのが今年のマイブームである。
(2月からほぼ毎月買っているが、3月分だけがどうしても
見つからないのが残念。)

毎月17日某寺へお参りに行った時お御籤を引くのが楽しみの一つに
なっていて、この中身がどうしてなかなか興味深いのである。
(2月分だけは地元にある神社で引いたもの)
ちなみに母も同じ所で引いてて、内容は私のお御籤を殆ど変わらない。

2月(吉 このみくじにあたる人は、これまでうもれぎの如く世に
 知られざりしもじせつ来たりて開運に向いたり、この時あせらず
 ゆるゆる考えて事をなしてよし~中略~すべてこのみくじは善人
 なればいよいよ栄え心だて悪ければかえってわるし用心すべし。)

4月(末吉 迷いの雲を払って御恵の光を仰ぎ心を静かにして
 幸運の足音に耳を傾けて下さい 思いがけぬ幸運に喜びを抱く
 運勢です 希望を捨てるな)

6月(中吉過去現在未来へと人生航路は長いのです 如何に苦しく
 ても希望を捨てないで前進しなさい 運勢は前向きになっています
 今こそ精進努力の時です。)

7月(小吉 月の光り鐘の響きに運勢は朝明けの色に彩られようと
 しています しかし苦しさはなお暫く続きます 今こそ苦しみに
 耐えて未来の幸福を待ちましょう)

8月(大吉 御仏の御慈悲により大運勢を授かっています
 合掌の心をもって身をつつしみ今の幸運を手に受けましょう
 日に日に開運の好機にあります)

9月(中吉 不平不満を言わず誠を尽くしてこそ幸福は招来します
 宝船は現在目の前にあります 心を御仏に任せて最善の努力をせよ
 金利 結婚大吉)

10月(大吉 七宝の色の輝く大幸運の訪れが目の前に迫っている
 のですが 報恩の心がないために常に幸運を逃しています
 ご先祖に御報謝の心で暮らせば無上の幸福を得ます)

11月(末吉 常に合掌の心で日を送れば自然と幸福は谷川の流れの
 様に広がっていく展開性の運勢です 邪念を持たず報恩感謝の心で
 運を開きましょう)



どのお御籤も表現は違うものの、同じ様な事を語っている気がして
仕方が無い。
つまり「今はまだ辛い時期だけど、感謝の心で日々精進していれば、
大きな幸せが待っているんだよ。努力は必ず報われる。」という
神さまや仏さまからのメッセージと感じるのだ。

日本国中のお御籤が全部こんな内容なら、な~んだ私の思い込みか~
チャンチャン♪で終わってしまうわけだが、それでも今の私にはかなり
心の支えになってくれる。
目の前にぶら下がった人参目がけて走っている馬みたいな気分になる
時もあるのだが。

仕事上日曜もお盆もゴールデンウィークも年末年始も全く関係無く仕事を
しているので、特に自分から希望日を言わなければ、いつが休日になる
かは勤務表を作る人次第になる。
毎月17日に私達母子はお寺に行く事にしているのだが、私がわざわざ
希望しなくても、「たまたま」毎月17日は休日になっていたものだ。
(今はこの「偶然」に頼らず、きちんと休日希望を出している。)

「女神の物語」さんhttp://plaza.rakuten.co.jp/beautifulgoddess/diary/200911250000/
が美しい画像をUPされていて、
我が家にある紅葉の落ち葉の事で、コメントを書かせて頂いた。

また2日前に見に行ったが、だいぶ色が落ちてしまったものの、
それでも見とれる程美しかった。
自然や野生の小動物にも心癒される日々である。
# by wanda_land | 2009-12-10 21:07 | ワンだ日記
この不況の折、私の職場で1人の研修生に悲しい審判が
下された。
あと数年で還暦に届こうとしていた年配の研修生さんで、
真面目に頑張っている様に「見えて」いたが、介護の仕事には
不向きという事でお払い箱になってしまったのだ。

気の毒だなとは思う。

しかし、である。
この人結構へんなおばちゃんだった。
ひとから嫌がられる事をずばりと言ったり、質問したりするのだ。
そしてその格好のターゲットとなったのは、なんと奥様びっくり!
このワンだであった。

和やかに昼食を取っている時に、私の隣に座っていたおばちゃんが
あからさまに私の太ももを見つめていたのは分かっていた。
超能力でもあるかと思う程時々勘が冴え渡る私は、彼女が何故
これほど熱い視線を投げているのか、そして数秒後に何を言うのが
手に取る様に分かっていた。

それに対する軽妙洒脱な答えもきっちり準備しつつ、お弁当を
つついていると、予想通りおばちゃんはこんなふざけた事を
言い出した。

「ワンださんて、足大きいですね~~。」

おばちゃんと私の他に5~6人はいただろうか。
休憩室の空気が急降下し、室温は一気にマイナス25度になる。
その場の全員の鼻毛がバリバリに凍り付いたのを私は決して
見逃さなかった。

私はワンだ家に代々伝わるトナカイの毛皮で作った
ちゃんちゃんこの前を掻き合わせ、ミトンをはめた手を
擦り合わせながらこう答えた。

「そうですよ、立派でしょう?
自信ありますよ~。
ここまで大きくするのに、どれだけ苦労したか。あははは~。」

さあ、どーだどーだ。
おばちゃんの暴言に対してこのウィットに富むアンサーは?
あん?あん?あん?

微動だにしなかった同僚達も、止まった時間が動き出したかの様に
それぞれにおしゃべりを再開する。

よかった、実によかった。
温厚にして篤実、風光にして明媚、大和にして撫子な私の
気が利くセリフで、休憩室はまた穏やかな雰囲気に包まれた。

更におばちゃんが、「ねえねえ、ワンださん。」と声を掛けて
きた。
どうせろくな話題ではないだろうと思い、軽く無視しつつ
斜め前の同僚2人の会話に耳を傾けるフリをしていたが、そんな
私の態度にじれたのか、おばちゃんはわざわざ私の腕をぽんぽんと
叩いてアピールする。

「ねえねえ、ワンださん結構足がね、こう、大きいですよね~。」

ぶっとばされたいのか、おまいは。

ある時は私の年齢を聞いてきた。
てきとーにかわすと兄の年齢を聞きだし、そこから類推しようと
したので正直に話すと、
「あ、そうですか~、はぁ、あぁそう、はぁ、ふ~ん。。。」と
実に中途半端なリアクションをしてくれるではないか。

ひとに年を聞く時は、お世辞でもいいから「若く見えますね。」
ぐらい言うもんだ。

またある時は体重を聞かれた事もある。
「私最近5~6キロ痩せたんですよ。」とおばちゃんが嬉しそうに
言ったので、どこがじゃ?と思いつつ頷いた後だった。

ここしばらく測っていなかったので、そう答えるとおばちゃんは
またもや余計なコメントを付け足した。

「あ、そう?
 ワンださんは上(上半身)はそんな無いけどね~、下半身が
  結構ね~、ねっ。」

恐らくきっと多分どう見ても3サイズが90=100=110の
なだらかなAラインのおばちゃんに、言われたかないよ。

ある日おばちゃんと同い年の同僚が、年齢と何年生まれなのかを
何の気なしに聞くと、「何でそんな事を聞くんですか!
聞かんで下さい!」と怒ったという。

おばちゃんの心の中に何が渦巻いていたのか、どんな思考回路を
持っていたのかは謎のままである。
# by wanda_land | 2009-11-11 22:08 | ワンだ日記
今回の当直の相方はフクオカさんである。
「あの部屋」に関連して再び不可解な事件が起きた。
以下はそのフクオカさんの体験である。

どうしても「あの部屋」が気になるので、ヤマグチさんと
当直した時に、写真を撮る事にしたと言う。
写メで撮影したその写真には特に妙なものは写りこんで
おらずにほっとしたものの、その代わり頭痛に襲われた
らしい。
出勤直後に鎮痛剤で一旦は抑えたはずの頭痛だ。

その日は頭痛程度で終わったものの、それから2日後、
フクオカさんは友人と共に遠方までドライブに行った時に
異変は起きた。

運転している最中首から後頭部にかけて痛くなり、目が
ぼ~っとして良く見えなくなったそうだ。
仕方なく友人に運転を代わってもらったが、ハンドルを
握っていないと体調は良くなり、握ると不調になったと言う。

面白がって写真など撮ったから、怒らせてしまったのだ
ろうか?

さて今回の当直はコールが少なく、穏やかな夜だったが、
その静けさが返って不気味でもあった。

交代で休憩を取るのだが、私の休憩時間が終わってすぐに、
フクオカさんが興奮気味にこう言った。

「あのさ~、さっき巡回に行った時に、上の食堂から
なんか音が聞こえてきたもんね。。。」

音源は冷蔵庫の右側面だが、そこにはA4の紙が1枚、
マグネットで留めてあるだけ。
そこからカサコソカサコソと妙な音が聞こえてきたらしい。

「も~~さ~~、めっちゃ怖すぎて休憩中のワンださんを
呼ぼうかと思ったさ~、びびった~。
マジ腰抜かしそうやったよ~。」

いえ、呼ばなくて結構でございます。
何のお役にも立ちませんから。
せいぜいおしっこちびるか、腰を抜かすのがオチである。

「それはゴキブリ!きっとゴキブリの音よ!」

「ああ、そっかな~、そうやね、ゴキブリね。」

「ってゴキブリなわけないやんね、あははは~。」

他人事だと思って笑い飛ばすが、身の毛がよだって
私はせわしなく両腕を擦る。

「それにさ、居室の換気扇って外に繋がっとるかな?
その後クマモトさんのトイレ介助をした時、そこから
バイクの音みたいなのが聞こえてきてさ~。
『ブーーーーーーーン』って。
バイクが通って行ったのかなと思ったけど、違うよね?」

もちろん違う。
建物は道路に面しているが、トイレ介助の時に換気扇から
そんな音が聞こえてきた事など1度もない。

「ここって元々は墓地だったんでしょ?」とフクオカさん。

墓地ではないが、曰く因縁のある土地には間違いなく、
地元民はまず絶対に買わない土地。
人間を卒業した人達がうようよふらふらしていても
おかしくないのである。
# by wanda_land | 2009-10-04 22:36 | ワンだ日記
9月28日(月)「あの部屋」のこと。。。続き
同僚3人からほぼ同じ時期に聞いた、「あの部屋」に関する
奇妙な話。
そして2件の目撃例。。。

それでふと思い出したのは、問題の「空室」の左隣に入居
されているシラカワさんである。

ある日「隣から話し声が聞こえるけど、隣の部屋にはどなたか
いらっしゃるんですか?」と、スタッフに聞いたそうだ。
もちろんシラカワさんの隣の部屋には誰もいない。
ひと部屋おいてアオヤマさんがいる。

それを聞いた時は部屋を1つ飛ばして、アオヤマさんの部屋
からスタッフとの会話が聞こえてきただけだろうと思って
いたが、それもよく考えるとヘンなのだ。

お隣さん同士なら物音や話し声は聞こえるが、1つ向こうの
部屋の音は殆ど聞こえない。
それにアオヤマさん自身声が小さく、耳を澄まさないと
聞き取れない事がしばしばある。
やはりナニモノかが住んでいるのか。

一緒に夜勤をしたキモトさんに、明け方に聞こえた声の事を
昨日もう1度確認したが、いつも大きな声で独り言を
言ったりため息をつくミドリカワさんの声ではない、と
改めて断言していた。

声が聞こえた方向は、私とキモトさんでは全く逆だった。
お互いに「ワンださんのいる方向から聞こえたって!」
「いや絶対キモトさんのいる方からだったよ!」と
言い合い、最後は声の主はミドリカワさんだったという事で
決着をつけた。

もちろん私もキモトさんもそんな事は信じていないのだが。。。
# by wanda_land | 2009-09-28 22:36 | ワンだ日記
それからまた数日後、夜勤が回ってきた。
相棒はベテランのキモトさんである。

職場には3ケ所にセンサーが設置され、誰かがそこに行くと
音声で知らせてくれる。
遅出のスタッフも帰った後、「裏玄関です。」という声が
スピーカーから流れて来た。

「えっ、裏玄関は私が確かに施錠したけどな。」

キモトさんが首を傾げる。

1度目は軽く無視したが、2回目ともなるとそうもいかない。
2人で「やだ~、うそ~。」と言いながら、薄暗い裏玄関を
見に行く事にした。
先頭を行く私に「ワンだがんばれー、ワンだがんばれー。」と
声を掛けながら、恐る恐る後を付いて来るキモトさん。

やはり玄関にはきちんとカギが掛かっていた。

「きっと虫よ、虫が飛んでるんじゃない?」

「誤作動かもね。あ、そう言えばさっき蚊がいたから
 そのせいよ、多分。」

な~んだ、蚊に反応してるだけなんだ。

その後も3回程音声が聞こえたので、思い余ってキモトさんが
殺虫剤をまき、その後はぴたりと止まった。
1匹の蚊ぐらいでわーわー言っていたのがちょっと恥ずかしい。

が、しかしである。
本当に蚊のせいだったのだろうか。

日中は網戸の無い正面玄関を開けっ放しにしていて、トンボや
蜂が頻繁に入ってくるわけだが、センサーはそれほど敏感には
反応しない。
蚊ぐらいのサイズをこんなに感知するのなら、日中は音声が
鳴りっ放しになりはしないか。。


私は職場のゴミ箱の整理が妙に好きなので、この日も明け方近くに
せっせと片付けていた。
と、女の人の甲高い声が聞こえる。
袋にゴミを詰め込む音が邪魔をして、誰が何を言っているのかは
全く分からない。

どうせまた夜昼構わず大きなため息をついたり、独り言を言う
入居者のミドリカワさんか、キモトさんがそのミドリカワさんに
話し掛けているんだろうと思い手を止めると、その声はぷっつりと
途絶えた。

あまり気にもせず、再びゴミをがさごそしていると、キモトさんが
やって来て、「ねえねえ、ワンださん今何か言った?」と聞いた。

「いや?ミドリカワさんかキモトさんじゃないと?」

「違う!私じゃないよ。
それにミドリカワさんでもないと思うけど。
こっちから(私がいる場所)聞こえたと思ったけどな~。」

キモトさんは私がいた方角から聞こえたと言い、私は絶対に
キモトさんがいた方角から聞こえたと言い張った。

私達じゃないとすると、やはりミドリカワさんに決まりだ。




と、少し前までは思っていたが、どうも引っかかる。

キモトさんがいた事務所の隣にミドリカワさんの居室がある。
キモトさんからすると、ミドリカワさんの方が私より近い所に
いた。
がさごそと音を立てていた私より、キモトさんの方がより
はっきりとその声を聞いているはずだ。

それに声質が全く違うのだから、キモトさんがミドリカワさんと
私の声を聞き間違う筈は無い。

私が聞いたのは独り言と言うよりもむしろ、誰かが誰かに
大きな声で話しかけている、もしくは何かを尋ねている様な
感じだった。

そしてこの日最大の事件はその直後に起きた。

職場にはお仏壇がある。
この土地に関わりのある、人間を卒業した人達のお供養の為
なのだが、夜勤者が毎朝お茶水をお供えする事になっていて、
この日はキモトさんが準備し、私が運ぶ役目を仰せつかった。

淹れたての暖かいとお茶と、お水。。。。
と思いきや、入っていたのは熱湯であった。

「え~~っ、うっそ~~、でもいつもお湯を入れてたよ~~。
 水って水道水でいいと?知らんかった。
 よかった、勉強になったよ。」

こうしてキモトさんとの夜勤は無事に終わったのである。
めでたしめでたし。
# by wanda_land | 2009-09-24 21:21 | ワンだ日記
「ワンださん、あの部屋何か感じらんですか?」
そろそろ仕事を終えようかと思っていた矢先、同僚の
アオヤマくんが急に妙な事を聞いてきた。

「あの部屋」とはAさんとBさんの居室の間にある空室
の事だ。
お天気の悪い日に洗濯物を干す為、ブティックハンガーや
物干し竿を置いている。

ヘンなものは感じないが、なんとなく気にはなる。
しかしそれは部屋のドアがいつも開いていて、その前を通り
過ぎる度に視界にブティックハンガーなどが入るせいだと
思っていた。

「いや~、私は霊感とか無いから別に感じらんけど、
でもな~んか気にはなるよね。
で、アオヤマくんは何か感じる?」

「いや、そういうわけじゃないけど、あそこの前を
通ると何かね。。。。」

アオヤマくんは言葉を濁す。

翌日今度はシロタさんが「あの部屋」の事を言い始めた
ので、私はてっきりアオヤマくんとシロタさんの2人の
間でそれが話題になり、私に話しかけたのかと思って
いたがそうではなく、2人はたまたま1日違いで
「あの部屋」の事を私に言ったらしい。

「あの~、『見た』って言うか、はっきり見たわけじゃ
 ないけど、部屋の前を通った時に目の端にちらっと
見えたから、ああ、誰か洗濯物でも干してるのかなと
思って後戻りしたら、誰もいなかったんですよね~。」

視界ぎりぎりに入ったのは、黒っぽい人影。
これだけでも充分ぞっとしたわけだが、アカシさんの
話を聞いた時はさすがの私もザッと鳥肌が立ち、
思わず両腕を擦ってしまった。

アオヤマくんの話から数日後、一緒に階段を上っていた
アカシさんの話も唐突に始まった。

「私も見ちゃったんです。
あの部屋の前あたりでなんか気になって振り返ったら、
黒っぽいズボンを履いたみたいなのが、あそこらへんに
見えたんですよ。
こう、だら~んと下がった感じ?
顔は見えなかったけど、ズボンだったから男の人かなぁって
感じ?」

彼女が指差したのは階段付近だった。
腕を両脇に下げ、それは中空にだら~んと下がっていたと
言う。
アオヤマくんとシロタさんの話、そして目撃したナニモノか
の様子を真似したアカシさんの格好を見て、またもや
ざわざわと鳥肌が立つ。

「今度ワンださんの当直の時に、あの部屋のクローゼットに
隠れて巡回の時に脅かそうかな~。」
と、アオヤマくんがイジワルな事を言った。

「そんな事したら、おしっこちびるからね。
 いや、あまりの恐ろしさに、逆にぼこぼこにするかも
 しれん。」

まあ、ここに限らず人間を卒業した人達は多分そこここに
いるのだろう。
別に悪さをするわけでもなく、波長が合った時にちらっと
その一部を見せるのかもしれない。

ダイジョブダイジョブ問題ナス。
周りには沢山人もいるしね。
夜勤の時以外は。。。。
# by wanda_land | 2009-09-23 22:19 | ワンだ日記
去年あたりからキジバトが我が家に頻繁にやって
来る様になった。
ホッホー ホーホー  ホッホー ホーホーと鳴くので
私達親子は彼らを全部まとめて「ホーちゃん」と
呼んでいる。

3~4日来ないと心配になり、
「最近ホーちゃんが来ないね。どうしたんだろうね。
お嫁さんでも見つけて巣作りしてるのかな。」と
噂話をしていると、必ずと言っていい程その日の内に
遊びに来るのだ。

昨日も「この頃見かけないよね。」と話していたら、
そのすぐ後にホーちゃんの鳴き声が聞こえてきた。

いつもの場所(電線)に留まっているホーちゃんを
度々見上げながら、私は玄関掃除をしたり、
草取りをしている間ホーちゃんは同じ場所でじっと
していた。

お不動さまが祀られているフェンスで囲まれた敷地内の
草取りをしながら、
「ホーちゃん、こっちにおいで。
そこのフェンスの上に留まってご覧、悪い事しないからさ、
触ったりしないからおいで。」と心の中で呼びかけてみた。

相手は野鳥なのにそんな事を思うなんてヘンだよね、
来るわけないのにさと思いながら、場所を変えて
せっせと草取りをしていた時だった。

頭の真上をバサバサと大きな羽音を立てて通り過ぎる
ものがいたのでふと横を見ると、何とすぐ傍の
フェンスの上にさっきのホーちゃんが留まっているでは
ないか。

私はどきどきしながら2メートルという至近距離に
いるホーちゃんの後ろ姿にこっそり話しかけた。
「ホーちゃん、こんにちは。。。」

驚かせまいとして、私は立ち上がったまま石の様に
じっとしていたが、30秒程私にお尻を見せていた
ホーちゃんは飛び去ったかと思うと、今度は東側に
あるすぐ近くの電線に留まった。

そしてよっこらしょ という感じでわざわざ私の方へ
向きを変えてくれた。
まるでテレパシーを感じたかの様なホーちゃんの行動に、
私は口をあんぐり開けてしまった。

その後もホーちゃんは居座り、結局1時間以上
私を楽しませ、私がお仏壇にお茶水をあげ、お経を
唱えている間にいなくなってしまった

野鳥を眺めるのが楽しくてたまらない私達親子に
とって、ホーちゃんはアイドル的な存在になって
しまった。
# by wanda_land | 2009-08-29 21:25 | ワンだ日記
幸いトイレの怪しい水音はすぐさま止まった。

交代で1時間弱の休憩を取ったが、ナースコールが
鳴る度にどきっとしてしまうし、妙に目が冴えて眠れない。

フクオカさんが担当している入居者さんの状況を聞きながら、
くそ真面目にケアチェック表を記入していたが、
「あんまり頑張り過ぎん方がいいですよ。
 今から大変になるから。」と彼が言ったので、私は急いで
《くそ真面目お仕事バリバリモード》から
《省エネモード》に切り替えた。

夜勤帯で一番の心配はナガサキさんだった。
夢と現実の区別ができなくなり、興奮すると暴言・暴行が
出る様だ。
先日はフクオカさんが頭突きを3度食らったらしいので、
ご用心である。

そのナガサキさんからナースコールが鳴る。

「ナガサキさん、何でしょう?どうされました?」

ゆっくりと静かに尋ねる。

「ああ。。。。。今帰って来ました。。。」
「そうですか、お帰りなさい。」
「ただいま。。。」
「どちらから帰られたんですか?」
「東京からです。。。。。」
「東京からですか、お疲れ様でした。
 でもまだ夜中の3時半なので、朝までゆっくり休んで
 下さいね。」
「そうですか、まだ寝とっていいんですね。。。。。」

排泄介助はフクオカさんのほんのお手伝い程度しか
できなかったが、その代わり上の様なやり取りは私が
担当する事にした。

そうこうしている内にオオイタさんの野太い声が夜の
しじまにこだまする。

「起こしてくれー! 助けてくれー!」

オオイタさんは全盲で聴力も殆ど無い方だ。
手の平に時間を書いても、オオイタさんは納得しない。
車椅子に乗せて食堂に行き、背中や首を撫でたり揉んだり
すると、気持ち良さそうな表情になられた。

時々こっくりしながらマッサージする事40分強。
相方のフクオカさんが迎えに来てくれたので、
オオイタさんをベッドに連れて行ったが、その後は
不穏状態もなくなった。

フクオカさんは普段はぶっきらぼうな感じだが、
超人手不足の為に急遽手伝う事になった私に色々と
根気強く教えてくれた。感謝!である。

尿器やポータブルトイレを洗い流したり、朝食のお膳の
準備をしているとあっと言う間に1時間が経つ。
これと言った事件もなく、転倒・転落事故もなく夜勤終了。

「今日が初当直なのでよろしくお願いします。」と
入居者さん1人1人に挨拶回りをしたのが功を奏したの
かもしれない。

もっとがっくり疲れるかと思っていたが、不思議な事に
まるで疲労感を感じない。
どうなってるんだ、私の体はっ。
疲労感どころか眠気もないのだ。
有り得ない。。。。

目の下が落ち窪んでいるものの、このままお昼まで
働けるかも!と思える程元気が有り余っている。
帰宅して5時間程眠った後、すこん  と目が覚めた。

これぞまさしくお不動さまのめらめらパワーのお陰に
違いない。
# by wanda_land | 2009-07-28 23:00 | ワンだ日記